加藤蓮は何を学ぶ。辛い時期を経験して芽生えた思い
「前への動きというのは少なかったし、自分がひとり剥がせば状況が変わるのはわかっていた。自分がずるずると引くと相手もついてきて、よりプレッシャーを受けてしまう。なるべく前のポジションで、そこからのアクションを意識した。
自分の中で何個かいいシーンを作れたし、前へのプレーも少なからず見せることができた。そういう違いをもっともっと出していかないといけない。ポジティブな面を出せたところもあった。そういうシーンを前半からもっと増やしていきたい」
対面する相手とのフィジカル勝負を厭わず、ぶつかり合いで弾き飛ばす場面も。目に見える結果こそ残せなくても、その足跡は間違いなく強いインパクトを残した。
怪我をきっかけに苦しんだ半年間から、加藤は何を学び、肥やしと糧にしていくのか。ひと呼吸置いてから発した言葉は、彼の真っすぐな気持ちを表現していた。
「もどかしさはすごくあったけど、かといって決めるのは監督。そこのチョイスに入れなかったのは自分の力不足。なかなか辛い期間だったけど、その期間だからこそ成長できると思ってやっていた。
ここからが勝負だと思っている。複雑な気持ちでいたけどチームスポーツだし、試合になればチームのために戦うことが一番大事。チームがこういう状況で自分自身も辛かったし、試合に出たらチームのために貢献したいという思いがあった。試合ではそこに徹すること、チームのために戦うことを毎試合意識していた。
少しでも力になりたいと思いながらやっていたし、チームが勝てば一番うれしいから」