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【写真：編集部】

北海道コンサドーレ札幌・岩政大樹監督がV・ファーレン長崎戦へ意気込み

　北海道コンサドーレ札幌は28日、翌日29日に控えたV・ファーレン長崎戦に向けて紅白戦やセットプレーなどで調整した。チームは序盤戦を終え、4勝0分7敗で16位。練習後に取材に応じた岩政大樹監督は、チームが置かれている現状を踏まえたうえで今すべきことをブレずにやっていくことが今後に繋がっていくと自らに言い聞かせた。

「自分たちの勝点しか見てませんし、勝点が足りていないのは把握しています。それを残りの30試合近くで自分たちが望んでる勝点に到達するためのトレーニング、メンバー編成、いろんなことを考えていくということだけです」

　現在16位という立ち位置について、岩政監督は率直な感想を述べた。勝点がひしめき合う混戦状態には意味がない、自分たちのことだけを考えてやっていればおのずと順位は決まっていくという。

　今、あえて選手たちに強く求めていることはふたつ。言い方が難しいとしながらも、「これまでのこのクラブで求められていたものと、今、現代サッカーで求められているもののギャップというものが1つあると思います。良い意味でも悪い意味でもここのオリジナルがここの常識になってるところが大きいなという風に感じています」とこれまでのやり方について、まず前置きをした。

「それでもサッカーの世界はグローバルの世界ですし、世界に追いついていきたいのであれば、それは自分たちの遅れになってしまうので選手たちに求めてあげないと、彼らの成長とか（にならない）。成長というのであれば日本代表やヨーロッパに行ったりってことを目指さなきゃいけない。そこの現実というものも伝えてあげなきゃいけないなという風には思っています」とひとつ目に言及した。

　もうひとつは、時期的に伴う慣れに対して、どう立ち振る舞うかということだった。

「トレーニングのやり方も僕との関係性もそうですし、メンバー編成も段々落ち着いてくる。ある意味序列が決まってくるような状況のときにどういう振る舞いをするかは試合に出ている選手は当然やる気がありますが、そうじゃない選手は選手としての日常が問われるタイミングだと思います。自覚させると気付く選手も中にはポツポツ出てくる」と日常に対しての取り組み方、さらには選手としてのあり方について、元サッカー選手として伝えなければならないということだった。

　これは今に限ったことではない。キャンプ中からずっと言い続けてきたことでもある。そうしたことが徐々にチームに浸透してきていることも実感している。タイトな連戦が続く中でもやり続けていくことが大事だとした。

「継続です。波というか、これは人生も同じですが、良い悪いを繰り返しながら右肩上がりになっていることが大事。結果が良かろうが悪かろうが自分たちができたこと、できなかったことを分析して、できることが増えていって、できないことが減っていけば、当然右肩上がりになるので、それをしっかりと冷静に考えることが大事だと思います」と持論を展開した。

　勝った負けたで一喜一憂するのではなく、ブレずにいることがチーム作りには大事な要素と考え、そうした発言を繰り返してきた。最初の頃は中々理解してもらえなかったが、しっかりとチームが成長しているということを選手たちに伝え、それを結果に徐々に結びつけてきた。

「J2はとにかくイーブンでいっててもどこかで大きな波が作れれば、上位に入っていくリーグ。とにかく我慢強く今チームを作って、改善しなきゃいけないことをどんどん改善していって、さらに良いところを伸ばしていって、というところを僕が自分に言い聞かせてるところでもありますし、選手たちにも言い聞かせている最中です。シーズン頭に大きな波が来るよりも中盤から後半に来たチームの方が大体昇格してるのがこのリーグなので、今まだそういうタイミングじゃないということだと思います。地道に我慢強く、っていうのが今のテーマかなと思っています」

　チームはまだ発展途上の最中。この大型連戦の中で波に乗ることができるのか。岩政監督の手腕が試される。

（取材・文：編集部）

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