立田が語る、6試合未勝利の岡山に必要な姿勢とは
今節の結果、岡山は6試合未勝利となった。これは昨季から3バックの中央を務めていた田上大地の今季の負傷離脱の期間とも重なる。
背番号18は強気なラインコントロールと的確なカバーリングで、アグレッシブなプレッシングスタイルを支えてきたキーマンだ。戦術の肝となる選手の不在が痛手であることは間違いないが、属人的な組織では脆くなってしまう。
今季に柏から加入した立田は、開幕節から3バックの右を主戦場にしてきた中、第11節以降は田上のポジションを預かり、今節のように毎試合を全身全霊でプレー。J1初挑戦中の2人のDFと3バックを形成し、リーダーシップを発揮して戦っている。そして、常にチームをシビアな目で見続けてきた。
「もっとみんなハングリーにやらなきゃいけない。慣れではないと思うし、自信でなく過信なのか。昨年の良いイメージを引きずっているというか。レベルが上がったことに対して起きる変化を恐れてはいけないし、より順応していかなきゃいけないのかなと感じている」と繊細に言葉を選びながら、語気を強めた。
「自分はずっと言っているけど、やっぱり個人の能力アップは必ずしなきゃいけない。それがあって、組織的な守備がある。(他のチームと比べて)正直、個人の能力の差は感じるところなので、そこのレベルアップは絶対に必要。あとは、自分たちのベースを見失わずに、焦れずにやることが勝利に近づくと思うので、もう1回自分たちのベースの部分を突き詰めてやっていきたい」
J1通算出場試合数は、170を超えた。これは竹内涼(212試合)、江坂任(208試合)に次いで、チーム全体で3番目に多い数字。守備陣の中で群を抜くトップリーグでの経験値は、堅守を伝統にステップアップを続けてきたチームの進化に欠かせない。また、来月で27歳になる191cmのディフェンダー自身もまだまだ成長中である。
「しっかりとリーダーシップを取れる。真ん中でのヘディングの跳ね返しは当然強い。ライン設定も非常に強気でできるようになってきた。我々のチームに来てほとんどの試合でプレーする中、チームに対する自分のプレーに責任を感じ、自分のプレーだけではなくチーム全体を把握して攻守の向上に努力していく姿をよく見る」(木山隆之監督)
背番号2が持つ強烈な当事者意識とブレない信念、そして訴えかけるJ1基準への適応能力が組織に浸透した時、自らの手で再び歓喜を掴み取れるチームにバージョンアップしているはずだ。そうなることを、強く願う。
(取材・文:難波拓未)
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