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【写真:Getty Images】
北海道コンサドーレ札幌・岩政大樹監督が試合を総括
北海道コンサドーレ札幌は17日、明治安田J2リーグ第16節でカターレ富山とホームで対戦し、試合終了間際の劇的なゴールで3試合ぶりの白星をつかんだ。岩政大樹監督は試合後の会見でゲームを振り返り、きょうの勝利を「大きなステップ」とし、前任のペトロヴィッチ監督のサッカーから岩政監督のサッカーに切り替わりつつあると前を向いた。
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「内容自体は非常に良い中でスタートから入れて、逆に得点が入らないと何か起こりそうだなと思ったらやはり起こったというような状況でしたが、しっかり選手たちが後半取り返したので結果的には良い試合となったかなと思います」
44分に自陣でのミスから先制点を奪われ、1点を追いかける展開となった中での逆転勝利を指揮官はこのように総括した。
後半に入って、途中出場のアマドゥ・バカヨコが同点ゴール、さらにアディショナルタイムに青木亮太が直接FKで逆転弾。欲しかった攻撃陣の得点による勝利にも「もっとできると思います」とトレーニングではもっと良いシーンを作っていると話した。
それでも、試合でこのようにチャンスを作り、結果に結びついたことについては、「ひとつの自信にしていいと思いますし、これまでは出せてませんでしたので、ひとつの大きなステップになったと思います」と一定の評価も下している。
こうした結果が生まれたのは、トレーニングの中で選手たちがつかんだものがあることが要因のようだ。前節のいわきFC戦で、ビルドアップをして、ボールを動かして、ボール保持を大事にすることがどういう目的を持ち、なぜ相手を崩すことができるのかということの意味が、少しずつわかってきたという。
7シーズンに及んだペトロヴィッチ監督体制が終わり、今季就任した岩政監督。長年培ったものを継承しつつ、自身の色を加えながらチームを推し進めるのは容易なことではない。
「ミシャさんほどの結果を僕は出してないですし、僕はここにタイトルをもたらしてほしいと言われて来ています。ミシャさんのサッカーから僕のフットボールに変えていくところを託されてきてますので結果につなげてサポーターの皆さんに納得してもらえるところまではまだまだ先が長いなと思っています」と前任への敬意を示しつつ、自身が目指すべきサッカーについて持論を展開した。
「一番大きいところは守備のところの変化もあると思いますけども、攻撃のところもミシャさんの場合はあまり中盤を経由しませんので大きく違うフットボールだと捉えています。ただ、哲学としてはボールを大事にするとか、意図的に崩すとか、選手たちの繋がりを持って崩すとか、いろんなところはフレーズとしては同じ絵を、同じ方向を向いているフットボールだと僕は最初から思っています」
システムや選手の違いなどによって戸惑いも生まれただろう。様々なケースを実戦で経て、成功や失敗を経験してきた。「やっぱりミシャさんのサッカーの思い出がたくさん詰まっていますので、このチームには。そうするとある程度、時間が掛かることは想定してましたが想定していても苦しいもので、ここまでかなり苦しい日々を僕も過ごしました」と中々波に乗り切れない現状について胸中を吐露した。
苦しみながらも勝利という結果を手にし、トレーニングの中で選手たち自身にも岩政監督の狙いとするサッカーが浸透してきているのは明るい兆しだ。
「ようやく今週のトレーニングぐらいから選手たちがすごく良い顔でトレーニングしてます。それは景色が見えたんだと僕は思ってるんですけども、景色が見えるとビルドアップしながらこの先にこの絵があって、この絵の先にこのフィニッシュの形があってというのが見える。ようやくミシャさんのフットボールから新しい絵に切り替わりつつあるかなという手応えがあるので、これを毎試合より精度高く、より回数多く見せられればサポーターの皆さんも楽しんでいただける試合になるんじゃないかなと思ってます」
手応えを口にした一方で、理想も付け加えた。
「ただ、僕はもっと(得点を)取りたいと思ってますし、ミシャさんの時は3-1っていう言い方をクラブは言ってましたけど、僕は3-0が好きなので、3点取って無失点に抑えるようなチームにしたいと思ってますし、きょうも失点してしまいましたので、まだまだ隙があるなというところを共有しながらまたやりたいなと思っています」
(取材・文:竹中愛美)
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