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Jリーグ 7か月前

キャプテンはどうあるべきか。FC町田ゼルビア昌子源はファンからの言葉に救われた。導いた答えは「自分の存在を…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「自分で言うのも何ですけど…」

「もう僕がコイントスを取ったかのように話しているんですよ。前半は攻める方向を変えるからと。前半はあちら側(右側)に攻めたほうがいいからと。僕は『コイントスを取れたら』と言ったんですけど」

 迎えた運命のコイントス。池内明彦主審が手にしたコインは片側が濃い青、もう片側が黄色と両チームのカラーで彩られていた。昌子は「青が来いと、初めて念じました」と再び苦笑する。

「そうしたら青やったんです。コイントスなのでもうしゃあないし、プレッシャーにはなっていないですよ。これに関しては自分で言うのも何ですけど、僕は昨シーズンからけっこうコイントスを取っているんですけど、ここ3、4試合は取っていなかった。なので、ちょっと自信がなかったんですけど」

 ロングボールを駆使する空中戦も得意とする町田は、ミーティング通りのエンドを取って前半から攻勢に出た。そこへ林を前へ押し出す昌子の後方支援が加わる。開始4分のゴールが今シーズン最速なら、前半のうちに2点差をつけたのも今シーズンで初めて。柏の出鼻を完全にくじいた町田は波に乗った。

 その間の14分には、日本代表歴もある柏の細谷真大が味方のスルーパスに反応して、ペナルティーエリア内へ侵入したピンチもあった。直後に危機を察知した昌子が、細谷が走り込むコースへ体をねじ込んでシュートを打たせない。ボールをキャッチした守護神、谷晃生が昌子の背中をポンと叩いた。

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