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【写真:Getty Images】
植中朝日が敗戦から得た今後の浮上のきっかけ
21日に行われた明治安田J1リーグ第13節延期分、横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸は1-2でアウェイの神戸が勝利した。敗れたマリノスは、リーグ戦でのクラブワースト記録を更新する7連敗。試合後、植中朝日は苦しい状況によって、長年に渡って築いてきたスタイルを変えるチームに対しての率直な印象を語った。
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これまで長年に渡って築いてきたアタッキングフットボールという哲学を、今置かれている現実を理由に一旦捨てるという決断を下した。神戸戦でマリノスは手数を掛けず前線へボールを送る戦いを見せ、宮市亮らの個の能力を活かす戦いにシフトしたが、結果は伴わなかった。
この試合にフル出場した植中は、敗れたという現実を受け止めながらも、戦い方に手応えを感じていた。
「亮君が出てた時はターゲットを亮君にして、そのセカンドボールを相手より先に触って起点を作るのを意識してました。亮君が(怪我でピッチを)出た後は自分がターゲットになることもあって、相手に前向きに跳ね返させないようにとか、単に勝負するだけだと負けてしまうので、そういったところは意識した。あそこからチャンスに繋がったりすることもあったので、ネガティブになりすぎる必要はないと思ってます」
試合後のコメントには、敗戦の中にもポジティブな視点がにじむ。特に、チーム全体の「方向性の一致」に植中は手応えを持っていた。
「サッカーというよりは、やることをみんなが共有できてたことがよかった。チーム全員が同じ方向を向いて、やることを共有できていればしっかり戦えると思ってます。監督が提示したものを頭に入れて戦いたい」
たとえスタイルを変えても、共通理解があれば戦える。その確信は、彼の言葉に表れている。
それでも、結果は2失点を喫して敗戦。連敗はクラブワーストの7に伸びた。試合全体では崩されて失点したわけではない。だが、セットプレーひとつで勝敗が分かれるのが今のマリノスの現実だ。攻守の切り替え、球際、守備時の集中。細部の質を高められるかが、今後の浮上の鍵となる。
植中の言葉が示すのは、「どんなサッカーをするか」ではなく、「どう同じ方向を向けるか」という本質的な問いだ。マリノスが上昇気流に乗るためには、全員のベクトルを合わせて進んでいく必要がある。
(取材・文:加藤健一)
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