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Jリーグ 1週間前

「時代じゃないんですかね」山本悠樹の悲しそうな顔が忘れられない。川崎フロンターレで悩み、涙し、そして今放つ輝き【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

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 川崎フロンターレで在籍2年目のシーズンを過ごす山本悠樹は、充実した時間を過ごしている。ただ、そんな山本にも悩み、もがく時期があった。ガンバ大阪から移籍してきたこの男は、いかにしてその壁を乗り越え、技術を磨いてきたのか。その紆余曲折の日々を振り返る。(取材・文:菊地正典)

「自分の進む道は間違っていない」


【写真:Getty Images】

 アジア制覇にあと一歩届かなかった悔しさや、全力を尽くした疲労を癒やしてくれるわけではない。

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 だが、山本悠樹は少しだけうれしくなった。2025年5月4日、AFCアジアチャンピオンズリーグエリート(ACLE)決勝でアルアハリに敗れた後の表彰式。あえて見続けたのは、敗戦の悔しさ、敗者としての疎外感を心に刻むためだった。

 しかし――。

 山本の感情が少し変わったのは、MVPが発表されたときだった。選ばれたのは、アルアハリの10番、ロベルト・フィルミーノ。ブラジル代表でコパ・アメリカ、リバプールでプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグを制した経験もあるFWだ。
 
 能力が高い選手は他にもたくさんいた。現代のトレンドの中で立場的には難しくなっているはずの技術力が評価されている。

 山本は思った。

「自分の進む道は間違っていない」

 いまから遡ること1年前、山本は苦しい状況に陥っていた。

 川崎フロンターレ加入1年目だった昨季、シーズン序盤はレギュラーとしてプレーしていたものの、徐々に出場機会を失った。5月に入るころにはもう、ベンチ入りすらままならない。

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