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Jリーグ 6か月前

「時代じゃないんですかね」山本悠樹の悲しそうな顔が忘れられない。川崎フロンターレで悩み、涙し、そして今放つ輝き【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

やるべきことが明確に。転機となった試合がある

「以前より落ち着いているとは思います。鮮明になってきたというか、丁寧に選べるようになってきたという言い方が正しいですかね。敵がどこから来ているのか、どこを消そうとしているのか。そういうことを瞬間に考えられていると思います」

 その理由は、いままでに味わったことがなかったアジアの頂点を争う戦いにあった。

「サウジアラビアでの経験が大きかったと思います。相手のスピードや圧、完全アウェイの中でもしっかり選んで判断しなければいけない。でもそれができればあのレベルでも自分の良さを出せることも分かりました」

 中でも決勝の経験は特別だった。

「準決勝までと比べても、さらに圧がありました。あの中で平然とプレーできないとアジアの頂点には立てない。それは明確な基準になりました」

 これまでは漠然としていたイメージがクリアになった。もう外的要因には揺さぶられない。あくまで基準の中で判断し、自分がやるべきことに専念しなければいけないという感覚だ。

「そして、その繰り返しだと思います」

 今季は背番号を77から6に変えた。

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