フットボールチャンネル

Jリーグ 2か月前

どう動くべきだったのか? 町野修斗の受け方は「百害あって一利なし」。お手本は伊藤達哉のプレー【BoS理論(7)】

シリーズ:コラム text by 河岸貴 photo by Getty Images

今季の川崎フロンターレから見る「カットインのお手本」

 モダンサッカーにおいて、アタッキングサードで悠長に時間をかけて攻撃できるケースは、相手が意図的に深く守備をしない限りはほとんどないでしょう。海外でFWとしてプレーしたいなら、プルアウェイばかりでなく、ゴールに直線的なカットインをより身につけるべきです。

 カットインのお手本的プレーは2025年のJ1リーグ第14節、川崎フロンターレ対横浜FCの18分過ぎ、左ウイング(WG)としてプレーした川崎の伊藤達哉のプレーです。
 
 最小限の幅の取り方、そこからの動作に無駄がなく、狭いDF間をタイミング良くいとも簡単に割って入り背後に抜け出し、そのままダイレクトでシュートを打ちますが、残念ながらバーに嫌われてしまいます。

 サイドに張ってボールを受け、ドリブルで仕掛けることに執着している小柄なドリブラーを日本でよく見ますが、もし伊藤のようなプレーができれば、サイドからのドリブルの仕掛けもより効果的になるでしょう。伊藤は鋭いドリブルだけではなく、背後の抜け出しでもゴールに向かえるモダンサッカーのサイドアタッカーとして、Jリーグでは稀有な存在と言えます。ぜひ参考にしてください。
 
【次回に続く】
 
(文:河岸貴)

【関連記事】
ドイツ側の本音、日本人は「Jリーグの映像だけで評価できない」。Jリーグに復帰した選手の違和感の正体【BoS理論(1)】
「いまは慌てたほうが良い」BoS的攻撃の優先順位を提示する。ドイツの指導者養成資料をもとに攻撃を分解【BoS理論(2)】
そこに優先順位はあるか? Jリーグの安易なバックパスに疑問。サッカーの「基本的攻撃態度」を突き詰める【BoS理論(3)】
ボールを奪った瞬間、どう動くべきか。ドイツ2部クラブがレヴァークーゼン相手に見せた効果的な形【BoS理論(4)】
ボール奪取後のキーワードは「エアスター・ブリック・イン・ディ・ティーフ」。ゴールへ向かう3つの選択肢【BoS理論(5)】
ドイツサッカー「BoS」の理想と必要悪。ボール奪取直後にリスクを負うべきシチュエーションを解説する【BoS理論(6)】


【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!