「この試合は絶対勝って優勝争いに残る」
「前半から前にハメに行こうってみんなで言っていたんで、それが結果につながった。ハーフタイムにも『裏返そう』と話していたけど、その通りになってよかったと思います」と井手口はしてやったりの表情を浮かべていた。
神戸は苦手な日立台で久しぶりの勝利を飾るとともに、勝ち点を「30」に伸ばした。首位・鹿島アントラーズとは10ポイント差の6位だが、神戸は現時点で1試合少ない。後半戦に巻き返しを図れる状態で6月の代表ウィークの中断期間に入ることができたのだ。
「今日負けてたら、優勝争いをするうえで、『ちょっと厳しいな』ということになっていたと思う。本当に始まる前から『この試合は絶対勝って優勝争いに残る』っていうのはチーム全員で話をしていたので、実際に生き残ることができた。後半戦をしっかりと巻き返していけるようにしたいです」と扇原も殊勲の息を弾ませたが、井手口も全く同じ思いだったに違いない。
神戸移籍2年目となる今季の彼は、プレシーズンからの負傷が長引き、開幕ダッシュ成功というわけにはいかなかった。3月に入り、ACLEラウンド16・光州FC戦の後半途中からようやくピッチに立ったが、チームは延長の末に敗戦。気持ちを切り替えて、同月16日の湘南ベルマーレ戦からJ1に向かったが、チームを勝たせる絶対的統率役になりきれていなかった印象だ。