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Jリーグ 6か月前

「練習前のミーティングで…」藤尾翔太がゴールから遠ざかった300日。FC町田ゼルビアで「勝負していきたい部分」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「昨シーズンまでは…」黒田剛監督が見た藤尾翔太の今

 折り返しを迎えた今シーズンのリーグ戦で、ようやく決めた初ゴールだった。というよりも、藤尾の先発そのものがわずか4試合目。しかも[3-4-2-1]システムの1トップでは初めて。怪我をしていたわけでも、調子が悪かったわけでもない。実際、藤尾の出場は湘南戦が18試合目だった。

 後半に入って湘南のFW福田翔生に同点ゴールを喫するも、83分にFWナ・サンホが決勝点を決めて、3試合ぶりの白星をもぎ取った試合後の公式会見。黒田剛監督が藤尾の起用に言及した。

「天皇杯でのゴールを高く評価しているということと、それから(湘南の)3バックの背後や脇のスペースを狙い続ける彼の貪欲な姿勢というか、そういったしたたかな面に今日は一発期待しました。彼の走力と守備力を評価したことに加えて、いま一番乗っている選手ということで(先発で)起用しました」

 3日前の11日に、ホームの町田GIONスタジアムで行われた京都産業大学との天皇杯2回戦。1点のビハインドを背負ったまま、残り時間が5分を切った絶体絶命の状況で町田を救ったのが藤尾だった。

 右ウイングバック(WB)として先発し、61分からは1トップに配置展開されていた藤尾が、左サイドからMF相馬勇紀が放ったクロスへファーサイドに飛び込む。起死回生のヘディング弾で86分に追いついた町田は、後半アディショナルタイムに相馬が自ら獲得したPKを決めて逆転勝利をもぎ取った。

 昨年の筑波大学に続いて、金星を献上しそうな流れを一変させたのは藤尾だった。今シーズンの公式戦で初ゴールを決めた勢いと、勝利への執念を湘南戦にももちこんだ。黒田監督がさらに目を細める。

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