システム変更の影響を受ける今シーズン
「昨シーズンまでは2トップの一角として、かなりゴールを期待できた。今シーズンはシャドーやWBなど、彼が得意とするポジションをなかなか与えられなかった。今日は彼が得意とするトップで先発したことで、本当に気持ちをひとつにして頑張れたんじゃないかと。本当に素晴らしいゴールでした」
今シーズンの町田は、システムを[4-4-2]から[3-4-2-1]へスイッチ。最前線の選択肢は必然的に韓国代表のオ・セフンか、あるいはオーストラリア代表のミッチェル・デュークとなった。
リーグ戦における藤尾の先発は、ヴィッセル神戸との第11節とセレッソ大阪との第13節が右のシャドー。ファジアーノ岡山との第18節は右のWBで、セレッソ戦と岡山戦はともにハーフタイムでの交代でベンチへ下がっている。しかし、湘南戦はこれまでとは状況が異なっていた。
ともに母国の代表チームに招集され、FIFAワールドカップ(W杯)・アジア最終予選(3次予選)を戦ってから戻ってきたオ・セフンとデュークのコンディションが万全ではなかった。
「天皇杯の後の昨日か、あるいは一昨日のどちらかで。練習の前のミーティングで言われました」
黒田監督から湘南戦での先発を告げられた藤尾のなかで、武者震いに近い思いが込みあげてきた。走力だけでなく、前戦からの守備も厭わないプレースタイルを買われたのもうれしかった。