「練習の前のミーティングで言われました」「やはり自分にとっての居場所」
「いろいろなポジションをやりましたけど、やはりセンターフォワードが一番自分にとっての居場所というか、そこで一番勝負していきたい部分があるので。前線からの守備というところで、はめられたらチャンスにもつながるし、後ろも助かると思っていたので、前半からそれはうまくできたと思っています」
リーグ戦でのゴールは、実に301日ぶりとなる。湘南戦のキックオフ前で最後となっていた一戦は、ホームにジュビロ磐田を迎えた昨年8月17日の第27節。3点リードの58分に決めたPKだった。
しかし、藤尾の昨シーズン9ゴール目は物議を醸した。PKを蹴る直前。手にしたボールにペットボトルの水をたっぷりとかけていた藤尾の行為を見た高崎航地主審が、ボールを交換させる。予期せぬ展開に、藤尾は両手を広げて不満そうな表情を浮かべながら、気持ちをしっかりと切り替えてPKを決めた。
藤尾は磐田戦後に、高崎主審とかわしたやり取りを次のように明かしている。
「ルール的には問題ない、と言われましたけど、何で(交換したのか)、とは思いました」
昨シーズンの序盤にPKを外している藤尾は、5月の東京ヴェルディ戦で初めてPKを決めた際に、ボールの表面に水をかけてから蹴っていた。PKを成功させるために、自ら考案したルーティーンとして6月のガンバ大阪戦でも引き継がれたが批判は少なくなく、磐田戦を境に風当たりはさらに強くなった。
そして、磐田戦以降はゴールを決められないままシーズンを終えた。2桁は間違いないと思われていた得点数が9で止まったままだった藤尾へ、PKをめぐる是非が精神的な影響を与えていたのかと聞いた。