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Jリーグ 6か月前

西川周作はミスから学ぶ。「どうやって失点されたかを覚えている」。浦和レッズの控えGKから始まったCWCへの道のり【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

意識するのはこの4年間だけではない

 浦和で臨んだ過去2回のCWCは、アジアを制した年に出場していた。サンフレッチェ広島時代に出場したCWCは、リーグを制した年に出場していた。

 いずれも12月に開催されており、そのシーズンを締めくくる大会だった。だが、今大会は違う。

「約4年前の天皇杯、カターレ富山戦から始まったストーリーでもあります」

 当時、リーグではAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を得られなかった浦和は、天皇杯を制して3年ぶりにアジアへの切符を手にした。その初戦が2021年6月9日に行われた富山戦だった。そして、2022年から2023年と2年にまたがったACLをチームや監督も替わる中で6大会ぶりに制し、世界大会への出場権を得た。

 現在の浦和の選手でその全てを知っている選手は、西川と関根貴大、大久保智明、柴戸海の4人しかいない。

 さらに西川は自身の加入とともにユースからトップチームに昇格してきた関根とともに、2014年と最も古くから浦和に在籍する選手だ。関根はその間、海外でプレーしていたこともあり、いまの浦和で最も長くプレーしているのが西川である。

 だから、意識するのはこの4年間にとどまらない。

「レッズが誕生してからつながっているのではないかというくらいの勢いだと思います。いろいろな歴代の選手を含めて、浦和レッズというクラブが大きくなってきて、ファン・サポーターの方々も含めてJリーグで一番を誇る熱量だと思いますし、そういった人たちの思いも含めて、いろいろな人でつないで出場できた大会だと思います」

 そんな強い気持ちで臨んだCWCだが、初戦は思うような結果を得られなかった。あらゆる経験から、初戦の重要性は十分すぎるほど理解していた。それでもチームは1-3で敗戦した。

「2、3本絶対に止めなければいけない状況が必ず来る」

 西川自身もそう意気込んでいたが、失点を防ぎきることはできなかった。

 だが、まだ終わってはいない。

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