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Jリーグ 6か月前

西川周作はミスから学ぶ。「どうやって失点されたかを覚えている」。浦和レッズの控えGKから始まったCWCへの道のり【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

「ミスから学ぶこと」「試合に出ていない時期だからこそ…」

「間違いないですね。失敗して成長していくのがGKですし、失敗して成長して、その繰り返しですよね。自分もいろいろなミスをしてきましたが、ミスから学ぶことはすごく大事なことでもあるので、そこは自分が大事にしてきたことでもあります」

 リーベル戦の3失点は、自身に決定的なミスがあったわけではない。2失点目の味方のミスが2つ重なった形であり、コミュニケーション等で解決することもできるかもしれないが、独特な雰囲気の環境が許さなかったのだろう。その他2つの失点は相手に上回られた。

 それでも、西川はいつものように、塩田仁史GKコーチを中心としたGKチームで失点場面を振り返りながら、課題を修正してインテル戦に臨もうとしているはずだ。

 振り返れば、今回のCWCへの道のりの始まりだった富山戦も、西川は“控えGK”の立場で出場していた。カップ戦、しかもGKを含めリーグの出場機会が少ない選手が出番を得ることが多い2回戦に出場したのは、当時リーグで出番を失っていたからだ。

 それでも富山戦を挟み、リーグで6試合をベンチで過ごしたあと、2021年6月23日の柏レイソル戦で先発出場の機会を得ると、いまや日本代表やイタリアで活躍する鈴木彩艶からポジションを奪い返した。

「試合に出ていない時期だからこそ自分を見つめ直せる。いまは成長できる時期」

 過去を反省しながらポジティブに取り組み、急きょ出番が訪れた柏戦で意地を見せたからこそポジションを奪い返し、いまも浦和の守護神としてアメリカの地に立っている。

「これをいい経験にして、次のインテル戦につなげていきたい」

 リーベル戦後に西川が発した言葉は、負けたあとの常套句と言えるような、ありきたりの表現かもしれない。それでも、過去の経験をつなげ続けてきた西川が発すると説得力が違う。

 相手はさらに強敵かもしれない。初戦で引き分けたためモチベーション高く臨んでくるかもしれない。それでも――。

「僕たちは絶対に諦めない」

 21日12時(日本時間22日4時)から行われる、イタリアの強豪・インテル戦。西川はリーベル戦を生かして勝利することだけを考えて臨むはずだ。

(取材・文:菊地正典)

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【了】

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