「そんな変わんないんですけどね」故郷を離れて高嶺朋樹が感じる変化
「うーん、どうだろう?でも、札幌にいるときはずっと1人だったんで。柏に行って結婚しましたけど、そんな変わんないんですけどね。家族できたぐらい、ですかね」と少々はぐらかされたが、そのあとこう付け加えてくれた。
「やっぱ外に出たのは大きかったんじゃないかな。レイソル行ったりとか、海外は半年でしたけど、行ったのも大きかったなと思いますね。良い経験になったなと思います」
あの頃のような笑顔で答えてくれた姿を見て、確かにそれほどまでは変わっていないのかもしれないと思った。だが、生まれ育った北海道を離れて、得た経験が高嶺の考えや表情に変化をもたらしたのかもしれない。
それは、どんなときでも声援を送り続けてくれるサポーターへの思いを聞いて、さらに確信した。
「サポーターは本当にアウェイのときもすごく多く駆けつけてくれるし、本当に感謝してる。文句のつけようがないっていうような、人数もそうだし、声もそうだし、負けてるときの声かけもそう。自分たちはそれに対して、試合に勝って恩返ししていくしかない。
最終節終わったときにJ1昇格してるのがサボーターにとっての恩返しだと思うので、それを達成できるように自分たちはやっていく。一緒に戦ってもらえれば、自分たちの力になってるし、後半戦は連勝していけるようにやっていきたいなと思います」
自らが選んだ茨の道。その選択を自身の手で正解に変えていく高嶺の挑戦を筆者は、ただただ見たい。乗り越えた先に、きっと高嶺のとびきりの笑顔が待っているはずだ。
(取材・文:竹中愛美)
【関連記事】
「嫌われてもいい」同僚の言葉が高嶺朋樹の背中を押す。北海道コンサドーレ札幌が勝つために指揮官に申し出たこと【コラム前編】
「だからこそもっと…」西野奨太は誰よりも長く頭を下げた。北海道コンサドーレ札幌を「自分が引っ張っていくんだ」【コラム】
「今後はもうないよ」キャプテン高嶺朋樹が危機感を口に。北海道コンサドーレ札幌のJ1昇格「それには程遠い」