「俺たちがビビったんだよ」積み上げたものをぶっ壊した先に…
「(ボールを)受けて、判断して、受けて、判断して、ミスして。どんどんどんどん消極的になっていったのがすべてだと思う。だから、今日のやり方(がどうか)っていうより、俺たちがビビったんだよ」
サッカーに正解はない。トレンドというべきか、傾向のようなものはある。ただ、マリノスが目指すアタッキング・フットボールが時代遅れということは決してない。ただ、それを実現するのに見合ったプレーができていない。結果が出ない理由はそれに尽きる。
岡山戦で希望が見えたとするならば、アンデルソン・ロペスを含めた前線がいい距離感の中で攻守に連動いたからだろう。ボールを失った後のプレッシングも献身的で、攻守にシームレスだった。もちろん相手がいるので、同じようにうまくいくほど簡単な話ではないが、再現性がない偶然の産物だったということだろうか。
主導権を握って攻撃的なサッカーがしたいならば、ボールを失った瞬間に奪い返す献身性が必要だし、前線からもっと意図をもってプレスを掛けなければ連動してボールを奪うことはできない。たとえボールが奪えなくても、たとえパスが回って来なくても、走らなければならない。逆説的だが、その無駄走りが味方を活かす。
「結果は常に自分たちが積み上げたものの先にしかないから」(飯倉)
今季、マリノスは一度、その積み上げたものをぶっ壊した。そして、それをも否定して原点回帰と言わんばかりに攻撃的な形を取り戻そうともがいている。自分たちを信じられるかどうか。精神論のように聞こえるが、結局のところそれが根底になければ難しい。
(取材・文:加藤健一)
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