「ちょっと大人になった」その姿勢がある限り、成長速度は上がる
ここからは世界に向けて「松澤海斗」という名を広めるための戦いだ。ドリブルは間違いなく通用する。90分間を通した運動量や組織における守備力という課題はあるが、持ち前の真っ直ぐさで求められる水準まで引き上げ、去年から課題としていた得点感覚を身に付けられれば、誰も想像しない環境までたどり着く可能性を秘める。
「海外に行ってもっともっと厳しくなると思いますけど、初心に戻ってまた1から成長というところに目標を置いて、選手としても人間としても海外に行って成長できればいいなと思います」
その姿勢がある限り、成長速度はさらに上がる余地がある。
「去年、一昨年は途中から出て、勝っていたとしても自分が点を取りたい、自分が結果を残したいとわがままになって自己中になって、(前に)行かなくていいところで行ったりするところもあった。そういうところはちょっと大人になったというか、見極められるようになって、チームが勝つことに徹するように、と意識するようになりました」
以前そう語ったように長崎で過ごした期間にメンタル面は成長し、ドリブルのキレは今季に入って凄みを増した。その成功体験を今後の糧にできれば、目標は着実に近づくはずだ。
最後に、熊本戦でサポーターがゴール裏に掲げた横断幕の文言を借りたい。
「世界をぶち抜け 松澤海斗」
そのドリブルで、世界を獲ってこい。
(取材・文:椎葉洋平)
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