8位:V・ファーレン長崎
純資産(2024年度決算):2600万円
売り上げ高:23億5200万円
当期純利益:200万円
純資産の大きさで比べるとV・ファーレン長崎は危機的な状況にあるように見えるが、実態は堅調な財政基盤を築いている。
2017年、長崎に経営問題が発覚したことから、当時の代表取締役社長・池ノ上俊一氏をはじめとする常勤役員全員が辞任。社員の給料未払いの可能性も生じ、深刻な資金難に陥っていた。
そのときに長崎の100%子会社化を買って出たのが、現在の親会社・ジャパネットホールディングスである。同年5月に同社がクラブの全株式を取得して以降、経営は一気に健全化。営業収入・営業費用ともにひとケタ増え、2017年度から数十億円規模のチームに変貌した。
当期純利益を見比べても、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年度を除き、ほとんどの決算を黒字で終えている。なかでも昨季の入場料収入は凄まじい伸びを見せており、Jリーグが5月27日に発表した資料によれば、2023シーズンの約3倍にあたる5億4800万円を記録した。入場料としては過去最高の数字である。
これに大きく寄与したのは、昨年10月にオープンしたばかりの新本拠地・PEACE STADIUM Connected by SoftBankの存在だが、昨シーズンは同スタジアムでの開催は4試合にとどまった。つまり、それ以前から一定の水準で入場料を得ていたことになる。
今シーズンも2月15日に行われた開幕節で2万人弱の観客が足を運んでおり、クラブとして順調な推移を見せている。現段階で純資産が0以下になる債務超過に陥る可能性も限りなく低いだろう。
