7位:ヴァンラーレ八戸
純資産(2024年度決算):2000万円
売り上げ高:5億3800万円
当期純利益:100万円
経営規模は大きくないが、スモールクラブとして堅調な基盤を築くチームがある。J3を舞台に戦うヴァンラーレ八戸もそのひとつだ。
純資産は2000万円とJ3クラブのなかでも資金力で下位に位置しており、大企業が運営母体に名を連ねているわけでもない。しかし、その安定感は特筆すべきものがあり、2024年度に純利益100万円を計上したことで、6期連続の黒字決算となっている。つまりJリーグに参入した2019シーズンから、一度も赤字を記録していないということだ。
今後はいかにスケールさせてゆくかが議論されるところだが、Jリーグが5月27日に発表した資料によれば、将来的にもポジティブな点が見受けられる。スポンサー収入は2021年からの3年間で伸びており、同年度に2億600万円だったところから、2024年度には3億500万円まで増額している。スポンサー収入だけで約1億円も伸びた。
同クラブは5月1日に公式サイトを通じ、「J2に昇格するために不可欠なこと」として、「限りある資源の中で、トップチームが目の前の1試合1試合に全力を尽くすこと、アカデミー生の環境整備、理念を遂行しての地域貢献をすること」があげられている。
八戸は折に触れて「地域への貢献」を強調しているが、スポンサー収入が増えている点では、理解者の数は順調に推移しているように見える。健全経営のおかげで純資産も増え続けており、少しずつではあるが、その足取りは軽やかだ。
