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Jリーグ 5か月前

「残り2、3分あるから」三竿健斗は松村優太に耳打ちした。鹿島アントラーズを勝利に導く数字に残らない献身【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「そうっすね」といたずらっぽく三竿健斗は笑った

 この行動の真意を試合後に尋ねると、それまで真剣だった表情が崩れ、「そうっすね」といたずらっぽく三竿は笑った。

「試合の流れの中で、ここは行かれてはいけないとか、ここは1回ファウルをもらって時間を作ろうとか、もっともっとチーム全体でやっていかないといけない」

 それを強く感じさせたのが1失点目のシーンだった。久保藤次郎が右サイドからドリブルで侵入。対面していた小川諒也は逆を突かれ、チャヴリッチのスライディングも届かず。

「簡単に失点しすぎだと思っている。長い距離をドリブルで運ばれましたけど、奪った瞬間にクリアする選択肢が1つ。時間帯を含めて、最初に持っておかないといけないと思うので、もったいない失点ですね」

 結果的には舩橋佑のキックが中途半端になって相手に渡り、小屋松知哉のコントロールショットでゴールネットを揺らされることになったが、どこかでファウルでもいいから止めていれば防げていた失点だった。

 以前、サッカー日本代表の遠藤航は、「ファウルをするもの技術がいる」と言っていたが、まさにその通りだ。タクティカルファウルという言葉があるように、バスケットボールのように警告にならない範囲でうまくファウルを“取られて”プレーを止める技術も必要になってくる。これも数字に残らないファインプレーになる。

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