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Jリーグ 5か月前

「気持ちっす」落ち込み、萎縮していた井上健太が横浜F・マリノスのトップ下で輝いた。「めちゃくちゃきつかった」【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

「その特徴は十分に活かせる」大島秀夫監督が井上健太にトップ下を託した意図

 4月12日のアビスパ福岡戦ではボールロストが結果的に失点につながってしまい、それが決勝点となってしまった。それからチームは7連敗を喫する。

 なかなか勝てない日々の中、アグレッシブな突破が鳴りを潜め、仕掛けられそうな場面でボールを下げることが目立つ試合もあった。

 サッカーをするのが嫌になることもあった。練習に行きたくないと思うこともあった。誰かのせいにするでもなく、実力不足が招いた結果と自分に矢印を向けたが、苦しかった。

 それでも、井上はチームメートのサポートを得ながら、歯を食いしばって練習に励んだ。ピッチでやるしかない。自分の特徴を出すしかない。メンタルの状態は少しずつ良化していった。

 すると、5月31日のFC町田ゼルビア戦で右サイドを突破して3点目をアシスト。6月28日の湘南ベルマーレ戦ではアシストにこそならなかったが、クロスでビッグチャンスを演出した。

 そして、累積警告によって出場停止だった7月5日の横浜FC戦、2週間の中断期間を経て、大島秀夫監督からトップ下のポジションを託された。

 本来、サイドでプレーする井上はクリエイティビティを発揮するよりも、相手の背後への抜け出しや突破を武器とするタイプだ。

 それこそが、大島監督の狙いだった。

「相手の特徴もありますし、自分たちがより相手陣地でサッカーをしたいと考えたときに、そういう案をスタッフが出してくれました。練習を見ても、サイドのプレーヤーですけど、ああいう動きは常に練習の中でやってくれていますし、その特徴は十分に活かせるようになる試合だと考えました」

 井上もまずは自分の特徴を出すことを意識した。

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