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Jリーグ 4か月前

不平等に汚されるべきではない。Jリーグは理想に近い。海外クラブとの親善試合がなくても何の問題もない【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグは中断期間を迎え、プレシーズン中の海外クラブが日本各地で親善試合を行っている。巨大な資本を持つ欧州のビッグクラブとは異なり、日本のクラブは理想に近い形に発展してきた。2009年から日本に住む英国人ジャーナリストは、Jクラブのビッグクラブ化を止めるべきだと主張する。(文:ショーン・キャロル)

著者プロフィール:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。『ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録』『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』の筆者。「Jリーグ Monthly」のレギュラー出演。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーやNHK、J SportsなどのJリーグ番組出演も。

リーグ再開からわずか1節で中断する日程

鹿島アントラーズ
【写真:Getty Images】

 7月19日、韓国での東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会 により中断していた明治安田J1リーグは再開したが、わずか1節を消化しただけで8月9日までまた中断される──どうやら無意味な欧州クラブとの親善試合を開催するための措置のようだ。

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 これまでシーズン開始からの3か月ほど、異常なほどタイトな日程を強いられてきたことを考えると、このような中断の繰り返しは極めて苛立たしい。リズムを構築しようとする監督や選手にとっては、なおさら煩わしさを覚えるに違いない。

 個人的にはE-1サッカー選手権のファンであり、森保一監督やそこに選出されたJリーグの選手にとって有意義だと思っている。ただ、Jリーグと並行して開催し、各クラブから代表選手を1名ずつ登録できる仕組みにすれば、総当たり方式によって行われるこの大会を開催すべきだという議論も当然あり得る。そうなれば、J2の精鋭にも国際舞台を味わう機会が与えられることになるだろう。

 一方、欧州クラブがプレシーズンを始めた時期と重なるこの時期の夏の親善試合には、日本のクラブにとって本質的なサッカー的意義がまったくない。これらのブランディング活動に参加しないチームにとっては暑さが本格化する中での良い休息になるが、不規則な日程のために本来のシーズンが中断されるのは奇妙で、横浜FC対レアル・ソシエダやモンテディオ山形対スタッド・ランスがなくても、何の問題もないだろう。

 もちろん、2026年から秋春制に移行すれば中断問題はすぐに解消される。だからこの愚痴はこの辺にして、むしろ前向きな話題に移りたい。

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