ジュビロ磐田の混乱を誘う…
幸先よくリードを奪ったところから20分足らずで逆転されてしまった磐田も前半のうちに同点を狙うが、上原の直接フリーキックがGK山田元気のビッグセーブに阻まれた。
ジョン・ハッチンソン監督は後半スタートから今シーズン8得点のFWマテウス・ペイショットを投入して勝負に出るが、開始2分に右のCKからCBの岡崎亮平に、ニアでうまく合わされた。シンプルな形には見えるが、FWの梶谷政仁が同サイドに走り込んで、ゾーン気味にゴール前を固める磐田側の混乱を誘っていた。
細かく切り取れば、シチュエーションの違いはあるが、セットプレーから3つの失点を喫してしまうというのは守備を分析し直す必要がある。
また秋田のような相手は流れから直接ゴールを狙うだけでなく、意図的にCKや相手陣内でのスローインを取りにくるので、そうしたシチュエーションをできる限り減らすという作業も大事になる。ただ、CKの本数で言えば磐田も同じ7本で、そのうち1つも決められなかったという事実がある。
ヘディングを得意とするファンデンベルフも、秋田戦を前に「自分たちの中でも、セットプレーをもっともっと良くできる部分があるし、それをしっかり毎回、練習の中で積み上げている。十分に得点できるチャンスはあるので、もっとシャープに1点に集中してやりさえすれば、ゴールはすぐ生まれる」と語っていたが、ファーサイドで合わせたヘッドが惜しくも外れるなど、自分たちの得点に結びつけることはできなかった。
結果的にはラフなコンタクトを流されたところから致命的な4失点目を喫して、ゲームが壊れてしまったことは同情の余地はあるものの、ホームの磐田としては惨敗と言い切っていいパフォーマンスであり、サポーターから厳しい声があがるのも無理はない。昇格に向けては上位との6ポイントマッチを制することも大事だが、残留がかかってくる下位のチームとの対戦というのは要注意だ。