「俺は朋樹を見守っているだけです」後輩への思いと自身の思い
「(高嶺)朋樹は人がどうとかじゃなく、常に自分に矢印を向けているので。自分がいいパフォーマンスでプレーすれば、周りがついてきてくれるとか、それが一番勝利に繋がると思っているはずです。前半戦は少し気負いすぎた部分もありましたし、自分でもパフォーマンスのところは良くないっていうのは理解していましたけど」と同じアカデミー出身で3学年下の後輩を気遣った。
「プレー云々じゃなくて、サッカーに対しての姿勢や気持ちは、ピッチの中であいつは常にやっているんで。それを見て、若い選手や上の選手も朋樹のためにという気持ちは絶対にあったと思います。それが少しずつ結果に繋がってきて、朋樹も気が楽になったのか、パフォーマンスも一段階上がった気がしていて、朋樹の気持ちと本来持っているポテンシャルが、かみ合ってきたのが最近だと思います」
「俺は朋樹を見守っているだけです」と語るが、キャプテンと副キャプテンがピッチ上でやるべきことをやり続けられたら、チームはさらなる上昇気流に乗るはずだ。8月の5連戦での5連勝を誓う札幌にとって、次節のV・ファーレン長崎との一戦は大きな正念場。深井の力が求められることも予想される。2016年、深井は札幌のJ1昇格に貢献しているが、ピッチ上で昇格を味わうことはできなかった。
「僕はサッカーができるだけで幸せなので。昔みたいに、自分がという思いはなくなっています。でも前回J1に昇格した2016年は非常にいい調子だった中、最後の最後で負傷してしまった年です。今年は最後まで関わっていけるような状態にして、そこに関われればいいですよね。監督に行けと言われれば、長崎戦も行く心構えはできています」
深井の準備が着々と進んでいる。
(取材・文:黒川広人)
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