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Jリーグ 4か月前

「探して見つかった答え」一美和成の可能性を広げた指摘。本能と知性。ファジアーノ岡山で「研ぎ澄まされている」【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images

「最初は自分で行こうと思ったんですけど」一美和成はピッチを退くまでファイトし続けた

「最初は自分で行こうと思ったんですけど、囲まれていたので、とりあえずキープしようと思った。(江坂)任くんに時間を作って渡せたことは良かったです。やっぱり任くんとブチ(岩渕)との関係性がすごく良くなってきているので、自分自身すごくやりやすい。キープした時に見えるところにいてくれるのが本当に助かる」

 鬱憤を晴らすかのように先制に成功すると、一美はチームのために走り続ける。相手ディフェンスラインからボランチのルートを完全に遮断。

 7分に横パスを回す相手センターバック2人への連続アプローチでパスミスを誘い、9分には自陣中央でのプレスバックで宮本と一緒に渡井理己を囲い込み、ボールを奪うだけでなく、ルーズボールへの鋭い反応でマイボールにしてショートカウンターの起点にもなった。最前線で賢く激しくプレスのスイッチを入れ続けた結果、ほとんどの時間を相手コートで過ごすことに成功。柏のシュートをゼロに抑える圧巻の45分を作り上げた。

 1-0で迎えた後半は、前半よりも自陣でプレーする時間が増えた。柏がハーフタイムの2枚替えをはじめ積極的に動いてきたことで、押し込まれる場面も少しずつ出てきた。だが、それは前回対戦時のような撤退ではなかった。

 その中で、一美はピッチを退く81分までファイトし続けた。1対2の数的不利な状況でも相手DFと競り合いクリアボールを収め、全体を押し上げる時間を確保。後ろから上がってくるシャドーにボールを預け、マイボールの時間を捻出した。奪ったボールを大切にし、攻守でチームを助けるプレーに専念する姿を、木山隆之監督は「素晴らしい」と絶賛した。

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