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Jリーグ 4か月前

「探して見つかった答え」一美和成の可能性を広げた指摘。本能と知性。ファジアーノ岡山で「研ぎ澄まされている」【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images

タイプの異なるFWとの競争でも見失わない一美和成のプレースタイル

 同じポジションでプレーするルカオはパワーとスピードを活かし、独力でボールを持ち運ぶことができる。序盤戦はその超人的な推進力で、チームの躍動を牽引した。そのインパクトが大きかったからこそ、一美自身も自分で運ばないといけないという潜在意識があったのかもしれない。奇しくも、その時期は身長190cm・体重86kgのウェリック・ポポが加入した頃とも重なる。それでも、大津高校を卒業後の10年間、Jリーグで形成してきた自分のスタイルへの誇りを失うことはなかった。

「(ルカオやポポは)自分とタイプが違う。自分にできることを全力でやればチームに貢献できると思うし、残留するためにはみんなの力が必要だと思う。練習から切磋琢磨しながらアピールして、スタメンを勝ち取っていきたい」

 ピッチに立てば、集中を切らさず、勢いを落とさず、守備とポストプレーをやり抜く。自分の欲を満たすのではなく、組織が機能するために身体を張れる背番号22の存在は、全員の力を集結させて大きなパワーを生み出し、初挑戦のJ1に立ち向かっていくチャレンジャー集団には欠かせない。

「(先発を外れた時期は)自分自身コンディションは悪くなかった。試合に出られるタイミングや必要とされるタイミングがあれば頑張ろうと決めていた」

 前節・ガンバ大阪戦で1カ月半ぶりに先発復帰し、中断明けの連勝を支えたことで、チームメイトも“一美効果”を実感している。

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