4位:FC東京
入場料収入:14億5000万円
2024年度のFC東京は、入場料収入がクラブ史上最高だった前年から2億4200万円増加し、14億5000万円となった。これはリーグ全体で4位にあたる。
年間のリーグ戦入場者数は63万1273人と、クラブ史上初めて60万人の大台を突破。浦和レッズに次ぐリーグ2位の動員数であり、この好調な観客動員が収入増を支えた。
一方で、収入が動員数に対してやや控えめな印象を与えるのは、ホーム試合数の少なさが一因だ。ホームゲームはリーグ戦19試合以外にはYBCルヴァンカップの1試合のみで、カップ戦による“上乗せ”がほとんどなかった。
もうひとつの要因は、U-12チケットの存在だろう。FC東京の客単価は約2269円で、このランキングのトップ10で最も安い。同チケットは前売り・当日問わず一律500円という設定で、明確にファミリー層を明確に意識した戦略がとられている。
この影響もあり、客単価は約2271円と、トップ10クラブの中で2番目に安い水準にとどまっている。ただし、これは必ずしもマイナスではない。
観客数の増加には確実に貢献しており、加えてグッズ売上は年々上昇傾向にある。「まずは多くのファンにスタジアムへ足を運んでもらい、その後の収益につなげる」という戦略が機能している証左とも言える。
観客動員のポテンシャルだけを見れば、さらなる収益拡大も見込めるFC東京だが、未来のファン層を意識した取り組みが数字として表れ始めている。単年の決算結果に一喜一憂せず、中長期的な視点でその成果を評価したいクラブだ。
