2位:サンフレッチェ広島
入場料収入:20億400万円
サンフレッチェ広島は、2024年度の入場料収入がクラブ史上最高となる20億400万円を記録し、Jリーグ全体で2位にランクインした。
この快挙の背景には、新たな本拠地「エディオンピースウイング広島」の影響が大きい。2024年2月に開場した新スタジアムは連日満員の盛況ぶりを見せた。
これまでの最高入場料収入は、J1優勝を飾った2015年の6億3800万円だったが、2024年はその約3倍という驚異的な伸びを示した。
入場者数も大幅に増加。過去最多だった2015年の33万2223人に対し、2024年は55万4205人と一気に20万人以上増加し、「新スタ誕生元年」の熱気を象徴する結果となった。
もっとも、最大収容人数2万8407人のスタジアムでは、どれだけ満員が続いても、より大規模なスタジアムを持つクラブには、動員数では及ばなかった。実際、2024年のリーグ戦入場者数では全体の5位にとどまっている。
それでも入場料収入で2位に入った最大の要因は、チケット単価の高さだ。年間入場者数で割ると、客単価は3616円。これはJリーグ全クラブでトップの水準であり、価格戦略もうまくいった。
アクセスの良さ、臨場感のある設計、都市中心部という立地といった要素が相まって高価格帯でも動員が落ちていないことをみれば、観客は価格に見合う観戦体験と感じていることがうかがえる。今後は、新スタジアム効果で集まった新規ファンをいかに定着させるかが最大の課題となる。
