
鹿島アントラーズでプレーする安西幸輝【写真:Getty Images】
鹿島アントラーズの安西幸輝がスタメンに帰ってきた。昨年の大怪我から、4月4日の水戸ホーリーホック戦で実戦復帰。鬼木達監督は18日の浦和レッズ戦にて、満を持してスタメン起用。“常勝軍団”の背番号「2」は87分までプレーし、鈴木優磨らと息の合った連係を披露した。スタメンに返り咲くまでの長い日々を支えたのは、ライバルである2人のサイドバックだった。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第11節
鹿島アントラーズ 1-0 浦和レッズ
昨年5月以来、ホームゲームでスタメン復帰を果たした安西幸輝

好調のチームを支える、鹿島アントラーズサポーター【写真:Getty Images】
2026年明治安田J1百年構想リーグ突入後、開幕のFC東京戦と4月4日の水戸ホーリーホック戦でPK負けを喫した以外、8試合で勝利し、10戦終了時点で勝ち点27と首位を快走している鹿島アントラーズ。4月18日は、3試合ぶりのホーム・メルカリスタジアムに戻って宿敵・浦和レッズを迎え撃った。
その大一番で満を持してスタメンに名を連ねたのが、左サイドバック(SB)安西幸輝である。
ご存じの通り、彼は昨年5月31日のガンバ大阪戦で左ひざ前十字じん帯損傷の重傷を負い、今季は2試合前の水戸戦で10か月ぶりの公式戦復帰を果たしたばかり。その試合は75分からの出場だったが、続く4月12日の川崎フロンターレ戦は後半頭から45分間プレーした。
「徐々に体を公式戦にアジャストしていかないといけない。やっぱり練習と実戦は全然違うというのを再確認できたので、攻撃時の距離感や強度含め、もっと上げていかないといけないと感じました」
川崎戦後、神妙な面持ちでそう語っていただけに、スタートから出てどこまでできるかというのは、本人も未知数の部分があっただろう。昨年5月17日の清水エスパルス戦以来となるホームゲームでの先発に着々と照準を合わせていた。
「大事なのは本番」

浦和レッズの渡邊凌磨【写真:Getty Images】
「今週は僕(がスタメン)かなと思ったんで、いいメンタルでのぞめるように試合前の準備をしました。練習でミスったとしても別に何とも思わないし、大事なのは本番。普段通りにプレーすることだけを考えて、体を整えていた感じです」
迎えたこの一戦。目下、PK負けを含めてリーグ5連敗中の浦和は停滞感を打破すべく、頭からハイプレスを仕掛けてきた。
開始40秒で柴崎岳からボールを奪ったオナイウ阿道がいきなり強烈シュートを放ったのを皮切りに、6分に渡邊凌磨、11分にも再びオナイウが立て続けにビッグチャンスを迎えた。序盤の鹿島は耐える時間帯を強いられたのだ。
「『みんな慌てていないな』というのをピッチの中で感じましたし、後ろの選手がすごく自信を持って守備をしていた。自分たちの流れが来るまで我慢しようという意思統一がしっかりとありましたね」と安西は言う。
彼らの思惑通り、浦和の猛攻は20分過ぎにトーンダウン。鹿島は徐々に主導権を奪い返すようになる。
33分には安西が金子拓郎にスライディングタックルに行ってかわされ、ゴール前まで持ち込まれて決定的シュートを打たれたが、名手・早川友基が立ちはだかった。
「金子君を代えてくれてよかったなと」

ファインセーブで浦和レッズの攻撃を防いだ早川友基【写真:Getty Images】
「失い方は悪かったですけど、(キム・)テヒョンがしっかりコースを切りながらサイドに誘導してくれたし、金子選手はカットインからのシュートがうまい選手なので、自分がしっかりポジションを取ってボールに合わせることができました」と日本代表守護神は余裕ある言い回しを披露する。
それこそが、安西の言う「慌てていない」ことの証明なのだろう。
背番号2自身もこの場面では突破を許したが、それ以外は対面にいる金子への寄せを徹底。公式戦復帰3試合目の選手とは思えない対応力を示したのだ。
「金子君は縦もあるし、内側もあるんで、最後のところで足を伸ばせばいいと思っていた。距離感を近くして、ガーっと離されないように意識していました」と本人も狙いどころを口にする。
この日は縦関係を形成していた鈴木優磨と協力しながら浦和の右サイドを封じたことは大きな収穫と言っていい。
後半は浦和の勢いが序盤ほどではなかったこともあり、鹿島が保持する時間が長くなった。鬼木達監督は1つ攻撃のギアを上げるために、64分という少し早めの時間帯に師岡柊生と林晴己を投入する。
浦和のマチェイ・スコルジャ監督もその動きに呼応するように金子を下げて肥田野蓮治を送り出したが、安西にとってはそれがプラスに働いたようだ。
「金子君から肥田野君になって、若さはありましたけど、粗削りな部分も感じられた。金子君を代えてくれてよかったなと思いました」と安西はストレートに言う。