
まだやれる!もう一度日本代表で観たいJリーガー【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米大会)を経て世代交代が進む日本代表。だがJリーグには、古巣で覚醒した男、けがを越え得点を重ねる男、鉄人主将、無所属を経て復活したGK、37歳の”何でも屋”など、まだまだ気を吐く実力者たちがいる。今回は、「まだやれる」と胸を張れる5人のJリーガーを紹介する。[5/5ページ]
DF:塩谷司(しおたに・つかさ)

サンフレッチェ広島でプレーする塩谷司【写真:Getty Images】
生年月日:1988年12月5日
所属クラブ:サンフレッチェ広島
2026/27シーズンJ1リーグ成績:3試合1得点1アシスト
【リーグ屈指の「何でも屋」】
塩谷司は2012年に水戸ホーリーホックからサンフレッチェ広島へ加入し、2017年にはUAEのアル・アインへ移籍。2018年のFIFAクラブワールドカップでは、アル・アインの準優勝に貢献した。2021年には4年ぶりに広島へ復帰し、30代半ばを過ぎた現在も、チームの最終ラインを支える主力であり続けている。
2025年のJ1リーグでは36試合に出場し、2得点1アシストを記録した。センターバック(CB)を主戦場としながら、チーム事情に応じてボランチも務めるなど、複数のポジションに対応。守備力だけでなく、ボールを前に運ぶ力や中盤での球際の強さも発揮した。
同年9月の柏レイソル戦はまさにボランチ起用だったが、配球に気を配りながらボール奪取や攻守の切り替えで存在感を発揮。試合後、当時の指揮官であるミヒャエル・スキッベ監督は「塩谷はJリーグで一番のDFで、それと同時に一番のボランチだと思っています」と最大級の評価を送った。
CBでもボランチでもチームを支えられる「何でも屋」ぶりこそ、塩谷の最大の武器だ。ポジションが変わってもプレーの強度や判断の質が落ちず、試合展開やチーム事情に応じて役割を変えられる柔軟性は、長年にわたる経験に裏打ちされている。
2026年の明治安田J1百年構想リーグでは、全18試合に出場した。しかし、5月23日の地域リーグラウンドWEST最終節、名古屋グランパス戦で右太腿二頭筋を負傷して途中交代。検査の結果、肉離れと診断され、全治4週間の見込みとなった。
【37歳、今なおJ1で主力】
この負傷により、5月30日に行われたプレーオフラウンド、川崎フロンターレとの7・8位決定戦を欠場した。
広島はその後の順位決定戦を経て、百年構想リーグを7位でフィニッシュ。塩谷は最終局面こそ不在だったが、パス総数でチーム内トップとなる881本を記録し、こぼれ球奪取数でチーム内2位に輝いた(Jリーグ公式記録)。
2026/27シーズンのJ1リーグでは、9月9日時点で3試合に出場し、1得点1アシストを記録。コンディション不良によってフル稼働とはいかないまでも、ピッチに立てば攻守両面で違いを生み出している。
たとえば4-1で勝利したリーグ第2節・浦和レッズ戦では3バックの右の位置からスルスルと駆け上がってゴールを決め、鈴木章斗の得点をスルーパスから演出した。3試合の出場のなかでも、しっかりと仕事をやってのけるベテランの妙技。37歳の守備職人が結果でも内容でもチームを助けている。
塩谷が日本代表に招集されたのは、2019年が最後となっている。2026年9月時点で、代表からは7年以上遠ざかっていることになる。それでも、CBとボランチのいずれでも高い水準のプレーを見せてきた質と経験は、現在も大きな価値を持つ。
現実的に考えれば現在の群雄割拠が著しいフル代表に選ばれるのは難しいかもしれないが、アジリティやフィジカルとは別の評価軸において、ベテランの力が必要な場合はある。
【著者プロフィール:編集部】
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【了】
