
今季は注目?J1で「内容が良い」チーム5選【写真:Getty Images】
今シーズンより、Jリーグは秋春制へ移行した。開幕7試合を終えたいま、順位表だけでは測れない”内容”を見せるクラブがある。堅守と多彩な攻撃を見せる強豪、最少失点を誇る堅守チーム、シュート数リーグ最多の名門、走力と規律のチャレンジャー、球際の激しさで強豪を沈めた新勢力――。奮闘する5クラブの“内容”に迫る。 [5/5ページ]
ファジアーノ岡山

ファジアーノ岡山でプレーする江坂任【写真:Getty Images】
監督:木山隆之
2026/27シーズン成績(第7節終了時点):4勝1分2敗
勝ち点:13(6位)
【“中国ダービー撃破”が象徴する勝負強さ】
ファジアーノ岡山は4勝1分2敗の勝点「13」で6位。首位・FC町田ゼルビアとの勝ち点差はわずか「4」で、最上位進出も現実的な目標になりつつある。
2025シーズンからJ1初昇格を果たし、昨季は残留に成功。2021/22シーズンから岡山を率いる木山隆之監督は、その辣腕を振るいながらトップカテゴリーがチームにふさわしい場所であると証明し続けている。
J1昇格を前に海外へ飛び立った佐野航大、ローン選手として出色の活躍を見せながら保有元のFC東京へ戻っていた佐藤龍之介、J1昇格・残留に大きく貢献して川崎フロンターレへの完全移籍を決断したGKスベンド・ブローダーセンなど、選手が入れ替わってもチームとしての成熟度を高め続けてきた。
その象徴が2026/27シーズンのリーグ第6節の“中国ダービー”、サンフレッチェ広島戦(3-2勝利)だ。開幕から無敗を続け、今季随一のチーム力を見せている広島を相手に、河野孝汰のハットトリックで勝ち切った。
61分に中盤の要であるオベルダンが退場し、以降は10人での戦いを強いられながらも、リードを守り切っての勝利だった。終盤の粘りは特筆すべきで、とりわけ最終ラインに入った大森博は試合を通じて15回の守備貢献を記録(出典:データサイト『FotMob』)。タックル3回、インターセプト3回、クリア9回という驚異的な守備スタッツを示している。
2026年に岡山へ加入するまでJ1でのプレー経験がなかったことも、クラブの強化部の慧眼を表している。その可動域の広さは総走行距離を見ても明らかで、3バックの選手ながら第7節終了時点でJ1全体3位の74.8kmを記録している。攻撃への関与も度々見られ、自らシュートを打つ場面もある。
【百戦錬磨の34歳と、勝負を決める男たち】
攻撃の組み立てで異彩を放つのが、元日本代表でもある34歳の江坂任と元韓国代表のナ・サンホだ。
J1昇格と同時にチームへ加入した江坂は、2026/27シーズンもバイタルエリアの仕事人として存在感がある。まだ今季は無得点ながら、ボールを引き出し攻撃のスイッチを入れる役割を担っているところだ。
191cm・96kgの巨漢FWルカオは、複数の選手を引き付けながらプレーできるが、空いたスペースを江坂やナ・サンホが突くことができる。
江坂とナ・サンホの共存は直近2試合のリーグ戦では見られていないが、途中からピッチに入る元韓国代表MFは相手にとってこの上ない脅威だ。
たとえば9月13日のリーグ第7節・浦和レッズ戦。後半アディショナルタイムの劇的弾によって岡山が2-1勝利を収めた試合で、ナ・サンホは56分からピッチに立つ。江坂との交代で入ると、ひとりでボールを運んでラストパス。途中出場ながらチャンスメイク「2」を記録し、苦しい時間帯のチームを助けた。
河野がハットトリックを達成したことにより、シャドーのポジション争いは今後も激しくなっていくかもしれない。クラブの市場価値はJ1全体で比較すると17位に位置するが、ニュースターの台頭はポジティブな影響を生む。
派手さよりも、球際の激しさと終盤の粘り強さ。河野や大森のような新星の登場。強豪・広島を10人になりながら振り切り、アジア王者にも輝いた浦和からアディショナルタイムに勝ち点をもぎ取る岡山の戦いぶりは、順位以上の説得力を持っている。
【著者プロフィール:編集部】
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【了】
