サッカー日本代表は24日、キリンチャレンジカップ2026(国際親善試合)でウルグアイ代表と対戦し3-1で勝利した。この一戦について、南米サッカーに精通する亘崇詞氏に話を聞いた。(語り手:亘崇詞)[3/7ページ]
「個人的には、もう少し“変わった日本”も…」
――3-1で試合終了です。いかがでしたか?
「結果、やっぱり上田選手が入って、動き出しも分かりやすく、もらうタイミングは最高な選手でしたね」
――亘さんのMOMを挙げるとすれば?
「1人の力ではないのがサッカーなので、という前置きは前提としてですが、前半は佐野海舟選手、後半に入って上田選手ですね。上田選手は1得点1アシストですね」
――内容的にはどうでしたか?
「内容的には、ウルグアイとしてはスタートに計算できるメンバーを使って、アラウホ選手を外したところから他の選手にもチャンスを与えた。
日本としては、松木選手、佐野選手などフレッシュなメンバーでスタートして、上田選手、伊東選手、久保選手を入れたあたりから、今までやり慣れた安定した選手を入れた中で試合を勝ち切れたことは良かったと思います。
しかしながら、メンバーが変わった中での攻撃時のリスク管理や、ビルドアップ時のミスからの危ないシーンは避けたいですね。
ウルグアイもやはりワールドカップ本番では、まだまだ寄せも厳しいし、強烈なプレッシャーの中で何ができるか。日本はこれを突き詰めていくしかないと思っています」
――日本は南米勢が苦手というイメージもありますが、しっかり勝ち切りました。
「よくそういうふうに言われているとは思うのですが、対戦成績を見れば、決してそんなことはないと思います。南米のチームは本番に強いので、そういったイメージがあるのではないでしょうか。
今日はウルグアイが前半からしっかり戦えるメンバーで入って、日本は後半から、これまで慣れ親しんだメンバーが入ってエンジンが上がるような構成になりました。
ウルグアイもコンディションが万全ではなかったとは思いますが、勝ちたかった試合を日本が最高の形で終えられたことは良かったと思います。個人的には、もう少し“変わった日本”も見てみたかったですけどね(笑)」
――このあともベネズエラ、エクアドルと南米勢との試合が続きます。
「ベネズエラ、エクアドルも、本番さながらの強度で戦ってくれることを祈っています。その中で、もっともっとゴールに迫るシーンを増やして、逆にヒヤッとする場面を少なくしていく。それを続けていくしかないのではないでしょうか。
アラウホの守備も素晴らしかったですが、周りの選手を使いながら、最終的には自分が守備を完結させる。強烈な“個”と、それを生かすためのグループ戦術というか、そこはやはり見習う部分がありますよね。
攻撃でも、久保選手がライン間で前向きになったタイミングに、上田選手が最良のタイミングで飛び出す。先制点も、松木選手の前を横切るランニングとパスがばっちり合ったことで得点になりました。
日本は、世界に誇れるリレーのバトンパスの技術があるように、ああいうコンビネーションの回数を増やして、さらに精度を高めていくことが大事だと思います。やはりサッカーは集団でやる球技なんだなと、改めて勉強になりました」
――亘さんから見て、上田選手の強みや良さはどこにあると思いますか?
「中央にどっしり構えたときの存在感。楔をしっかり収められるという安定感はあります。そこから左右に流れるタイミングが出て、足元にボールが渡る頃にはもうイメージがあると思います。相手ディフェンスの位置を見ながら、最良なタイミングで顔を出してくれるんじゃないでしょうか。
それから彼が入って、相手のラインをコントロールしているようにも見えました。自分が少し落ちて、空いてラインを上げさせたり、縦に引っ張って最終ラインと中盤のライン間にスペースを作り出したり、自分にパスを供給してくれる選手へのスペース作りもできる。それが考えなくても反射的にできているんじゃないでしょうか」
【語り手:亘 崇詞(わたり・たかし)】
1992年にボカ・ジュニアーズとプロ契約した元プロサッカー選手・指導者。アルゼンチン、ペルーでプレーし、なかでもアルゼンチンサッカーに精通している。帰国後は東京ヴェルディの育成年代、日テレ・ベレーザ、岡山湯郷Belle、城西大学、ジョイフル本田つくばFC、厚木はやぶさFCなどで監督・コーチを歴任。JFA Proライセンスを保持し、育成年代から女子、大学、社会人トップまで幅広い指導経験を持つ。
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