横浜F・マリノスの知念慶が、持ち前の得点力でチームを救った。14日に行われたYBCルヴァンカップの清水エスパルス戦。1-1で迎えた後半、右CKから鮮やかなヘディングシュートを決め、2-1の逆転勝利に導いた。かつてFWとして活躍し、鹿島アントラーズではボランチへの転向を経てJ1制覇も経験した31歳。しかし、今夏に加入した横浜FMでもポジション争いは激しく、直近のリーグ戦では先発を外れていた。「苦手なところで勝負するんじゃなくて…」。新天地で改めて自らの強みと向き合う知念は、名門復活の原動力となれるのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「監督のメンバー選びも大変になるでしょう」
ベテラン・喜田であれば、百戦錬磨の経験値と統率力、つねに冷静にゲームをマネージメントできる能力があるし、山根であれば攻守両面でバランスよく貢献できる力を持ち合わせている。
若い松村はとにかく勢いがあるし、将来性という意味でも非凡なところがある。
知念が彼らとうまく絡みながら、自分の持ち味をより発揮していけば、2024年以上の実績を残せるかもしれない。あえてチャンピオンチームを離れた以上、そのくらいの成功を収めなければ意味がない。本人も改めてスイッチが入ったのではないか。
「この清水戦で負けていたら、ここからは連戦ですし、リーグ戦の下位との戦いが続くので、雰囲気的にも難しくなるなと思っていました。ここで普段出ていない選手たちが活躍できたのは、チームとしてすごく追い風になったと思う。
ここからは監督のメンバー選びも大変になるでしょうけど、逆にそういうのがチームの競争や勢いを生むことになる。この流れでリーグ戦3連勝を目指していきたいです」
知念はこう語気を強めたが、彼自身も10月17日のジェフユナイテッド千葉、21日の東京ヴェルディ、25日の名古屋グランパスとの3連戦ではできるだけ長い時間ピッチに立ち、爪痕を残していく構えだ。
彼にはマリノスを強い集団に飛躍させていく責務がある。喜田や朴、宮市ら30代のベテラン選手たちと一緒に名門復活請負人にならなければいけない。
それを具現化するような突き抜けたパフォーマンスをここからの試合で見せてほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
▽語り手:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2026年北中米大会まで9回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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