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J1 2026.10.29 08:00

「試合に出れなければ何の価値もない」横浜F・マリノスの田中雄大が待望のプロデビューで示した“存在価値”「来たらあとはやるだけ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images

26年10月28日 ルヴァンカップ4回戦、横浜F・マリノス対サンフレッチェ広島戦で、プロデビューを果たした横浜F・マリノスの田中雄大

横浜F・マリノスの田中雄大【写真:Getty Images】



 待ち続けたチャンスで、その存在価値を示した。横浜F・マリノスは10月28日、2026/27 JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド4回戦でサンフレッチェ広島を4-3で下した。大幅なターンオーバーを敢行した一戦で、プロ初出場・初先発を飾ったのがMF田中雄大だ。得意のキックで先制点の起点となり、攻守に存在感を発揮。出場機会を待ち続けた背番号32が、ついにつかんだ第一歩とは。(取材・文:竹中愛美)[2/2ページ] 

【2026/27 JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド4回戦】
2026年10月28日 横浜F・マリノス 4-3 サンフレッチェ広島
(ニッパツ三ツ沢球技場)

「絶対チャンスは来るから」支えとなった先輩たちの言葉

JリーグYBCルヴァンカップ4回戦、横浜F・マリノス対サンフレッチェ広島戦で、チームの2点目が決まり、朴一圭(左)から祝福を受ける横浜F・マリノスの田中雄大(右)

チームの2点目が決まり、朴一圭(左)から祝福を受ける横浜F・マリノスの田中雄大(右)【写真:Getty Images】


 出場機会を得られない日々を支えたのは、家族やチームメイト、スタッフの存在だった。

「本当にいつも自分の身近にいる家族だったり、チームメイトが、どんなにチャンスがない中でも支えてくれてたと思います。『絶対チャンスは来るから』って、チームの仲間からもずっと言われてましたし、来たらあとはやるだけだと思ってて。

 そのチャンスが来るのを待ち続けたじゃないですけど、いつか来るとは自分の中で信じてたので、来たからには自分が自分のプレーを出すだけだと思ってましたし、自信を持って今までやってきたことを出すだけだと思ってたので」

 さらに、田中はこう続けた。

「本当に苦しい時間って言ったらあれですけど、選手としては試合に出れなければ、何の価値もないと思うので。そういう期間、腐らず、自分のやるべきことに目を向けてやれたところで言うと、本当に家族だったり、チームメイトだったり、スタッフだったりの支えがあったからこそなのかなというふうに思います」

 その苦しい時期に印象に残っている言葉は何かと尋ねると、田中は少し表情を崩してこう答えた。

「いや、本当に挙げたらきりがないですけど、チームメイトでいうと、先輩である(宮市)亮くんだったり、(松原)健くんだったり、パギくん(朴一圭)もそうですけど、(飯倉)大樹くんも喜田(拓也)くんも、(天野)純くんも、もう本当にほとんど全員っていうところで(笑)。

『絶対チャンスは来るから』っていうところと、『お前ならできる』っていうところは、きょうの試合の前にもみんなから声をかけてもらいましたし、それが常に自分に勇気と自信を与えてくれて、支えになってたかなというふうに思います」

 今年1月10日の新体制発表会見では、少しでも早く日産スタジアムでプレーする姿をサポーターに見せたいと語っていた。

 初めて立った公式戦の舞台はニッパツ三ツ沢球技場だったが、次は日産スタジアムで、その姿を披露する機会が訪れるのもそう遠くはないはずだ。

 もっとも、プロ初出場で結果を残したからといって、ポジション争いで優位に立てたわけではない。田中もそれを十分に理解しているのだろう。今後のプロキャリアについて問われると、このように答えた。

「これから本当にマリノスのために、チームのために、自分の特徴だったり、存在価値、存在意義を惜しみなく出したいところではあるんですけど、きょうに関しては本当にビギナーズラックみたいなものだと思って、謙虚に、愚直に、自分の今までやり続けてきたことだったり、やってきたことを何も変えるつもりはないので。やるべきことに目を向けて、やり続けるだけかなというふうに思います」

 待ち続けたプロデビューは、あくまでもスタートラインにすぎない。田中雄大はこれからも、自分のやるべきことに愚直に向き合いながら、横浜F・マリノスでの存在価値を高めていく。

(取材・文:竹中愛美)

【著者プロフィール:竹中愛美】
1990年、北海道生まれ。Jリーグ開幕で世の中がサッカーブームに沸いていた幼少期、「入会したらヴェルディ川崎のボールペンがもらえる」の一言に釣られて地元のクラブでサッカーを始める。以降、サッカーの魅力に憑りつかれた日々を送ることに。ローカルテレビ局時代に選抜甲子園や平昌冬季五輪、北海道コンサドーレ札幌などを取材し、2025年よりカンゼンに所属。FWだったからか、この限られた文字数でも爪痕を残したいと目論むも狭いスペースの前に平伏す。ライターとして日々邁進中。

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