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日本代表 6年前

日本代表も被災した大地震。忍耐力と感謝を胸に…再始動で踏み出した新たな一歩

北海道を襲った最大震度7の大地震。それに伴うインフラの復旧は進みつつあるが、いまだに混乱は収まっていない。そんな中、札幌で合宿中だった日本代表が再始動した。7日に行われるはずだったチリ代表との国際親善試合が中止となったものの、新生サムライブルーは歩みを止めない。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

大地震から1日。日本代表が再始動

槙野智章
槙野智章は6日未明の地震発生当時の様子を語った【写真:Getty Images】

 6日午前3時過ぎに発生した北海道胆振地中東部を震源とする大規模地震の影響で、森保一監督体制の初戦となるはずだった7日のチリ戦中止を余儀なくされた新生日本代表。「選手は各部屋で寝ていて、物凄い音と揺れで一斉にみんなが部屋から飛び出てきた」と槙野智章は証言する。

 宿泊していたホテルの避難指示を受け、貴重品を持って20階から1階まで降り、2時間ほど滞在したという。結局、午前5時過ぎには各部屋に戻り、午前9時には自家発電で電気が復旧。午後には散歩と軽い調整を行ったが、チリ戦の中止という予期せぬ事態に見舞われることになった。札幌市内も停電・断水が相次ぎ、多くの人々が日常生活をまともに送ることができない大混乱に陥ったのは確かだ。

 そんな波乱の1日から一夜明けた7日。日本代表は11日のコスタリカ戦に向けて新たな一歩を踏み出した。チリ戦に代わって15時半からトレーニングを行うことが決まり、場所は札幌ドームか別の練習場かのいずれかということだったが、試合会場になるはずだった前者は電力等の問題で完全復旧に至っておらず断念。もう1つの練習場に森保監督と選手たちが姿を現した。

 強風と時折降る小雨というあいにくの天候の中、スタートしたトレーニングはウォーミングアップ、スモールエリアでの5対5、シュートやロングパスの練習を経て、11対11の紅白戦に突入した。1本目は35分で、主力組と見られるビブスなし組には、GK東口順昭、DFに右から室屋成、三浦弦太、槙野、車屋紳太郎、ボランチに青山敏弘と遠藤航、右MFに堂安律、左MFが中島翔哉、FWに南野拓実、小林悠が入った。

 もう一方のビブス組にはGK権田修一、DFに右から守田英正、植田直通、冨安健洋、佐々木翔、ボランチが三竿健斗と天野純で、右MFに伊東純也、左MFに伊藤達哉、FWは浅野拓磨と杉本健勇という顔ぶれだった。

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