
W杯、大金星ランキング【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ(W杯)は、格上相手に命がけで立ち向かうチームが奇跡を起こす舞台だ。FIFAランキングの差が大きいほど、その勝利は歴史に刻まれる。目下開催中の北中米W杯でも大会を盛り上げるアップセットが散見されるが、史上最も力量差を覆した下剋上はどの試合か。今回はFIFAランクが発表された1993年以降の大会を対象に、順位差をひっくり返したマッチアップをランキング形式で紹介する。※各順位は大会開催前のもの[1/5ページ]
10位:セネガル代表対フランス代表

日韓W杯を戦ったセネガル代表【写真:Getty Images】
大会:2002年日韓W杯
FIFAランキング差:41
敗者チームFIFAランキング:1
勝者チームFIFAランキング:42
スコア:1-0
【日韓W杯の開幕戦】
2002 FIFAワールドカップ(W杯)の開幕戦、韓国・ソウルで行われたフランス代表対セネガル代表の試合は、大会史に残る衝撃的な「ジャイアントキリング」として刻まれている。
1998年大会覇者のフランスは、EURO 2000も制した世界最強の軍団であった。ティエリ・アンリ、ダヴィド・トレゼゲ、ジブリル・シセという欧州主要リーグの得点王3人を擁し、連覇への死角はないかに見えた。
しかし、司令塔ジネディーヌ・ジダンが直前の親善試合で負傷欠場したことが、チームの歯車を狂わせる。
対するセネガルは、これがW杯初出場であった。チームとしての経験値は低かったものの、メンバーの多くがリーグ・アンでプレーしており、フランスサッカーのスタイルや各選手の特性を熟知していた。名将ブルーノ・メツの下、彼らは臆することなく王者に挑んだ。
【この一戦は…】
試合は終始フランスが攻め立てるが、セネガルは規律ある守備と高い身体能力でこれを封じる。均衡が破れたのはゲーム開始から30分後だった。
左サイドを突破したエル=ハッジ・ディウフの低いクロスに、中央へ飛び込んだパパ・ブバ・ディオプが反応。一度は阻まれるも、こぼれ球を泥臭く押し込み、セネガルが先制した。
フランスは後半、波状攻撃を仕掛ける。トレゼゲやアンリの放ったシュートがポストやバーを叩く不運もあり、最後までネットを揺らすことはできなかった。
結果は0-1。新勢力が絶対王者を沈めるという、歴史的大番狂わせとなった。この敗戦で自信を喪失したフランスは、結局1得点も奪えずにグループリーグで敗退。対するセネガルは、この勝利で得た勢いのままベスト8まで進出する旋風を巻き起こした。
この一戦は、アフリカサッカーのポテンシャルを世界に知らしめると同時に、W杯に絶対的な安定感など存在しないことを証明したのである。