サンフレッチェ広島のブレないマネジメントに迫る。“予算中位”でなぜ結果を出せるのか?

予算が潤沢ではなくとも、結果は出せる。2012、2013シーズンにおけるサンフレッチェ広島の2連覇がその証左だ。好循環が続く広島で、どのようなマネジメントが行われているのか。

2014年05月01日(Thu)7時30分配信

text by 中野和也 photo Kenzaburo Matsuoka ,Yasuhiro Suzuki
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【サッカー批評issue67】掲載

包囲網の中で2連覇を果たす

 現状の広島は決して「予算が少ない」クラブではない。

 2013年1月決算の営業収益は、31億7600万円。これは、J1リーグ11位であり、純利益の2億2300万円はリーグ2位。小谷野薫社長によれば、2014年1月決算も営業収益31億5000万円、純利益8000万~1億円と、堅調な数字を残す見込みだ。

サンフレッチェ広島のブレないマネジメントに迫る。“予算中位”でなぜ結果を出せるのか?
現状の広島は決して「予算が少ない」クラブではない【写真:松岡健三郎】

 2011年度は営業収益26億7600万円、純利益マイナス700万円。2010年度は営業収益26億500万円、純利益2億2600万円の赤字。いかに優勝の効果が大きかったか、数字だけを見てもわかる。

 もし「予算で覇権が決まる」のであれば、広島は中位に位置するのが妥当だ。減資(資本減少のこと。広島の場合、資本金を取り崩して累積赤字を解消するために行われ、その後で第三者割当増資が実行された)を決断せざるを得なかったほどの財政危機再建中で、即戦力補強も難しい上に主力選手も引き抜かれてしまったクラブのリーグ連覇など、世界的に見ても奇跡に近い。

 各クラブが広島の戦術を徹底解剖し、「包囲網」を強めていた中での連覇は、もっと高く評価されるべきだと個人的には思う。

 では、予算規模中位・財政再建中のクラブがなぜ、連覇を果たせたのか。その理由は強化の芯棒を成す「コンセプト」の存在。といっても、広島がそれを確立させるには、たくさんの「時間」と「血」が必要だった。

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