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Jリーグ 10年前

大宮が見せつけた確かな残留力。大卒ルーキー泉澤に継承される粘りのDNA

NACK5スタジアムがオレンジ色に染まった大宮アルディージャと清水エスパルスの一戦。試合前の順位は大宮が17位、清水は15位。大宮が勝てば順位が入れ替わるという試合だった。

text by 青木務 photo by Getty Images

J1残留へ大きな勝点3を掴んだ大宮

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大宮の勝利に貢献した泉澤仁【写真:Getty Images】

 両チームの、勝利への意気込みが伝わってくるような90分だった。

 前半立ち上がりに押し込んだ大宮アルディージャは、左サイドを崩すと中村北斗のクロスにズラタンが頭で合わせる。開始9分で、欲しかった先制点を奪ってみせた。

 しかし、後半に入ると清水エスパルスが息を吹き返す。5分、河井陽介のクロスをノヴァコビッチが頭で落とすと、本田拓也がバイシクルシュートを決めて同点。その後も清水が怒涛の攻撃を見せるも、大宮はGK北野貴之を中心に守備陣が奮闘し、逆転は許さない。

 すると28分、CKを家長昭博が右足ボレーを決めて大宮が勝ち越しに成功。J1残留のために絶対負けられない直接対決で勝利を飾った。

 チーム一丸となって掴んだ貴重な勝点3。苦しい試合の中で、大宮のルーキー・泉澤仁も90分間ピッチを駆け回った。

 先制点の起点になったのは、阪南大学から加入したこのスピードスターだった。

 サイドチェンジを左で受けると、相手に向かってドリブルで仕掛ける素振りを見せながら、オーバーラップしてきた中村へパスを出す。これがズラタンのヘディングゴールに繋がった。

 駆け上がってきたSBを活かすのはサイド攻撃のパターンのひとつだが、この場面では相手との駆け引きがあった。

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