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本田圭佑 10年前

“相手に合わせ過ぎた”ミラン。2戦連続1-1。不発の本田、活躍の条件は「いかに中央へ侵入するか」

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

落ち着き過ぎた後半。得意のカウンターは見られず

 後半からは同点に追いついたこともあってか、インザーギ監督から指示もあってか、落ち着いてボールをつなぐシーンが増えた。

 スタッツを見ると明らかで、ポゼッション率は50.4%対49.6%でミラン、パス成功本数も353本対337本でミランが上回った。その反面、アタッキングサードでのパス本数では135本対97本でカリアリが上。その他、シュート本数でもチャンスメイク数でもカリアリが勝っていた。

 さらに、コンビネーションパスの本数を見ると両チームの狙いがはっきりと分かる。

 全体トップは、カリアリの右SBバラツァーノから右WGイバルボへの24本。2位が同じくカリアリの左SBアヴェラルから左WGコッスへの16本。3位にミランが入ったが、CBアレックスから手前でアンカーを務めるデ・ヨングへの13本だった。

 つまり、前線へ積極的にダイレクトなパスを出したカリアリに対して、ミランは後方で慎重にボールを回していたということ。どちらが正しいということではないが、ミランはここまでカウンターで結果を出してきたチーム。本来、カリアリのように積極的に前にボールを出さなければならない。

 結果的に、前半と後半で形を変えつつも、ともにカリアリのスタイルに合わせてしまったために“引き分けで御の字”とも言える試合になってしまった。

 今後、CL出場権を獲得するためには、“難敵”とはいえ格下でもあるカリアリのような相手にはアウェイであっても自らの得意な展開にはめ込んでいく必要があるだろう。

 例えば、この試合ならカリアリは積極的に前に出るタイプなので、ある程度引いてボールを持たせた上でロングカウンターを狙っても良かったのかもしれない。

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