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「万年2位」払拭へ。情熱に満ちたレバークーゼン。アトレティコ撃破で過去の栄光を超えるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

準優勝した02年以来の8強へチャンス到来

 レバークーゼンが、人口約16万人のいわゆる城下町であることを考えれば、ここ4季で3度の決勝ラウンド進出は、ずば抜けたパフォーマンスとも言える。

 それでレバークーゼンの人達がハッピーならそれでいいのかもしれない。先日練習場を訪れた際に、少し立ち話をした初老の男性は「2002年にはCLの決勝に行ったこともあるんだぞ」と、過去の栄光を誇らしげに語った。特に現状に不満を抱いている様子はない。

 しかし例えば昨季の同じく決勝ラウンド第1戦、ホームにパリ・サンジェルマンを迎えての戦いは、あまりに淡白だった。

 確かにヒーピアのチームは「良く戦術的に構築されてはいた」ものの、イブラヒモビッチを前に成す術もなく0-4で完敗してしまう。国内でバイエルンやドルトムントを相手に「素晴らしい闘い」を見せる姿とは対照的だった。

 アトレティコを相手にしてのレバークーゼンは、その姿を「突然」裏切ったのである。

 先制弾となったチャルハノールの豪快な一撃、元ドイツ代表カーンも「ワールドクラス」と唸ったレノのスーパーセーブ、そして監督シュミットがシメオネと繰り広げたトラッシュ・トーク。

 プレッシングとカウンターというシュミットのスタイルが「良く戦術的に構築されていた」のは言うまでもなく、「万年2位」のアダ名を払拭しようとでもするかのように、バイ・アレーナは「情熱」に満ちていた。

 キッカー紙は次のように記している。

「1-0の成果によって、その晩の最後には報われて、3月17日のヴィセンテ・カルデロンでの2ndレグへのあらゆる可能性が、とりわけ2002年以来初のチャンピオンズリーグでの8強に再び到達するチャンスが、開かれる」

 CLといったトーナメントの戦いでは、勝ち進む上で情熱=勢いが何にも勝ることがある。

 アトレティコに勝ち切ったレバークーゼンは、居心地の良い場所を離れて、過去の栄光を超えていこうとしているのかもしれない。

【了】

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