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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:最終回 離れていても、近くにいる

磐田で定位置をつかんだ小林祐希

「あんなふうに応援していただいて、びっくりしちゃいますよねえ。まだベンチ入りもしてない選手なのに申し訳ないなぁ。リョウは先を見据えて、ヴェルディのためにしっかりやろうとしています。こういうとき親父としては自重しないとね。浮かれていいことなんてないですから」(義則)

 聞けば、ゴール裏のサポーターの中心メンバーに、砧少年サッカーチームの教え子がいるそうだ。亮とは同期で、ともにボールを追いかけた幼なじみである。

「ずっと応援してますからね。お金を使ってアウェーにも行って。いやマジであいつには頭が上がらないです。そういや、最近連絡ないな。そっとしておいてくれてるのかな」(亮)

 親密だからこその節度とは、そういうものなのだろう。

 他方、勢いが出てきたのは小林祐希(ジュビロ磐田)である。トップ下に定位置を掴み取り、ピッチを支配していた頃のフィーリングがようやく戻ってきたようだ。

「もう大丈夫、完全に戻っています。そのうちもっと周りが見えて、もっと足にボールが吸いつくようになる。もう足踏みをしていられないんでね。優勝してJ1に上がりますよ。個人としても得点、アシストの両方で結果を残して上に行く」

 このように開幕前から意気軒昂だった。小林はこれぐらいのことを言ってくれないと張り合いがない。3月28日のJ2第4節の大分トリニータ戦では、引き分け濃厚となっていた後半42分、鮮やかな直接FKを決めて勝利の立役者となった。

 高木善朗(清水エスパルス)は苦境に直面している。今季、ナビスコカップに1試合先発出場したが、リーグ戦の出場はまだない。牙を研ぎ澄ませながら、反攻の機会を窺っているに違いない。3月3日に交際していた女性と入籍し、同期では結婚一番乗りとなった。

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