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Jリーグ 9年前

【英国人の視点】ドイツで苦しみ、Jリーグで成長を遂げた宇佐美と金崎。海外移籍が選手にもたらすものとは?

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

フィジカル面での成長が際立つ金崎

【英国人の視点】ドイツで苦しみ、Jリーグで成長を遂げた宇佐美と金崎。海外移籍が選手にもたらすものとは?
鹿島で成長した姿を見せる金崎夢生【写真:Getty Images】

 この成功によってJリーグのピッチに無用な騒ぎもなく復帰した金崎は、鹿島のプレースタイルにぴったりとはまり、ダヴィの欠場もあるなかでCFを務めることとなった。彼は敵地でのウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦で得点を挙げ、ここまでJ1でも3ゴールを決めている。

 得点を挙げることで鹿島に利益をもたらすだけではなく、試合におけるフィジカルな場面でも彼はそれを好んでプレーしているように見える。4月16日に敵地で柏レイソルを3-1で下した試合でも、ボールをキープしながらチームメートに時間とスペースを与える素晴らしいパフォーマンスを披露した。また、土曜日に行われた神戸との試合ではチームは敗れながらも序盤から相手守備陣を翻弄した。

 空中戦の接触で戦傷を負い、包帯を巻いてプレーした神戸のチョン・ウヨンは試合後、金崎の闘争的なプレースタイルについて文句を言わなかった。Jリーグにおいて闘争的な本性を示すことは、審判団の選手に対する不要な注意を減らすことにもつながる。

 鹿島の33番は後半途中でイエローカードを与えられ、アディショナルタイムに神戸DF高橋祥平との接触によって2枚目の警告を受けて退場した。神戸のディフェンダーの子供のようなリアクションはやや呆れるものだったかもしれないが、金崎はもう少し気を付けるべきだった。

 それでも、人生の浮き沈みを気にしなければ金崎はポジティブな結果を生み続けるだろう。トニーニョ・セレーゾ監督が彼を心配する姿は想像できない。

【了】

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