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日本代表 9年前

長友が語ったインテル愛と日本代表への想い。カンボジアの壁に風穴を開ける“切り込み隊長”

text by 藤江直人 photo by Getty Images

貫き通した「インテル愛」

 しっかりとオフを取って心身に休息を与えた後に、フィジカルを一から鍛え直す。インテル合流後には飛び交う移籍報道に一喜一憂することなく、信念にのっとって1分1秒を大切に過ごす。

 プレシーズンマッチでは、左サイドバック以外のさまざまなポジションでのプレーを命じられた。右サイドバック、FC東京時代や日本代表でも経験のあるサイドハーフ、東福岡高校時代の主戦場だったボランチはもちろんのこと、トップ下に入ったこともある。

 実情はトップ下の選手にけが人が出たことに伴う人数合わせだったが、長友は与えられた出場機会で常に全力で、貪欲にプレーしてきた。

「このプレシーズンだけでもいろいろなポジションでプレーして、僕的にはすごくいい経験ができた。自分がサイドバックに入ったときに、前の選手がどのようなボールを欲しいのか。前の選手の気持ちというものを学ばせてもらったし、それを生かしていきたい。僕自身も本当に楽しくプレーできたので」

 去就が騒がれるようになって以来、長友自身は公の場で一貫してインテル愛を貫いてきた。

「僕としては、もちろんインテルに残りたい気持ちがある。インテルでしっかりとタイトルを取りたい」

 過去5シーズンで手にしたタイトルは、チェゼーナからシーズン途中に加入した2010/11シーズンのコッパイタリアのみ。副キャプテンも務めた愛着深い名門への熱い思いを公言しながら、一方では弱肉強食の世界では避けて通れない移籍を覚悟する言葉も漏らしている。

「これは僕だけでの意思では決められないこと。どんな状況になっても、どこに行っても輝くための努力はしていきます」

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