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セリエA 8年前

フィオレンティーナはなぜ好調か。イタリアのファンも惚れ込む“機能美”を追及した指揮官のスタイルとは

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

イタリアのファンも「機能美」を称賛

フィオレンティーナはなぜ好調か。イタリアのファンも惚れ込む“機能美”を追及した指揮官のスタイルとは
バーゼル時代にソウザ監督のサッカーに合わなかった柿谷曜一朗【写真:Getty Images】

 振り返れば、バーゼル時代もハードワークで結果を出していた監督である。守備時には緊密なゾーンを敷き、タフなプレスから素早く速攻へと切り替える。スイスでは「窮屈で退屈」という評価もあったようだが、イタリアのサッカーファンの間では「マルチェッロ・リッピ時代のユベントスのような機能美だ」と評価する声もあった。

 余談になるが、柿谷曜一朗がバーゼル時代にソウザのサッカーと合わなかった理由はこの辺りにも見える。

 前方にスペースがある状態では卓越した個人技が活かせるのだが、攻守の素早い切り替えを求める戦術の中では、彼の持つリズム感とボールタッチがスピードダウンにつながってしまう。そして何より、ハードワークに走るタイプでもない。

 ともかく、こうしてフィオレンティーナはプレシーズンの時点において、戦術的な完成度で他のチームに先んじた。

 そうなれば開幕ダッシュも必然。開幕戦では、中盤のビルドアップがなっていなかったミランを、徹底的なハイプレスと縦へのスピーディな速攻で攻略。第6節では、やり過ぎの補強が影響し連係が固まっていなかったインテルにアウェーで走り勝った。

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