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本田圭佑 8年前

本田、苦闘の姿勢は“ミラン愛”証明となるか? 長友が代弁した胸中

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

長友が語った本田の胸中。“ミラン愛”は証明できるか

 FWと違い、新システムのもとでは守備への貢献も重視される。本田がバランサーとしてのクオリティを再び証明することが出来れば、定位置争いに再参入することも可能になるのかもしれない。

 ただ、ミハイロビッチ監督が本田ではなくチェルチを選択しているのは、「DFを抜くことの出来る力があるから」という理由に基づくものだ。

 やはり本田にとっては、たとえ短い時間でも攻撃のインパクトを残すことが出来るかどうかが重要となるだろう。アウェーのラツィオ戦で、わずかな時間ながら必死にボールに喰らいついた時のように。

 あの試合で本田のパフォーマンスを褒めていたベテランの地元記者は今でもこんなことを言う。

「あれだけのガッツを見せた選手が、モチベーションを失っているなんておかしい話があるものか。チームや監督の批判? 『スタメンから外された理由がわからない』と言っただけではないか。『そんなオレを外した監督は理解不能の馬鹿野郎だ』と言ったわけではないだろうに」

 結果が出なかったため、メディアやファンの大多数は本田に対して厳しい。プロである以上、己のプレーで批判を受けるのは仕方のないことである。しかしながら本人は苦闘しており、そしてその姿勢を理解しようとする者も、少数ながらいるのだ。

 前節のインテルvsフロジノーネ戦後、インテルの長友佑都は「彼はやっぱりミランを愛してて、ミランの一員として勝ちたいという心の底から強い思いがある。ああいう発言をクラブを批判したって捉えられるのは、僕自身は複雑な気持ちで見ている」とも言った。

 そういう心根を、プレーで表現できるチャンスが与えられるように願いたい。

【了】

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