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ネイマールが示すエースの力。世界の視線を自らに。メッシ復帰も変わらぬ絶大な影響力

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

チャンスメイク、1対1でメッシを上回るネイマール

 しかし、その不安を杞憂に終わらせたのはネイマールとスアレスだった。2人はメッシ不在の8試合でチームの計21得点中18得点を荒稼ぎした。

 昨季はMSNと称されても、あくまでメインはメッシ。ネイマールとスアレスは、いかにメッシと融合できるかという点で評価を下されていた印象は拭えなかったが、そのメッシ不在のピンチを逆に自らの価値を高めるきっかけとした。

 特に注目すべきはネイマール。昨季までは、メッシを中心としたバルサにおいて攻撃のプラスα(というには贅沢過ぎるが…)として貢献していた、というに過ぎない選手だった。

 しかしメッシの離脱以降、ネイマールはチームを攻撃の中心として牽引。バルセロナに世界中から向けられる何億という目を自らに集めさせることに成功した。

 さらにメッシの戦列復帰戦となったクラシコでは1ゴール1アシストを記録して変わらず勝利に導き、先発復帰初戦となったCLローマ戦では自身のゴールこそなかったものの、ボールタッチ数、チャンスメイク数、1対1の回数でメッシを上回るパフォーマンスを見せた。

 そして、1試合フル出場を経てメッシのコンディションも回復したであろうこのソシエダ戦でもボールタッチ数73回(ネイマール):50回(メッシ)、パス本数46本:34本、チャスメイク数6回:0回、1対1回数11回:8回、得点数2点:1点と全ての面で上回った。

 この試合では最終的に2ゴール1アシスト。オプタのデータを基にしたレーティングでは10点満点という評価でマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

 特にチャンスメイク数、1対1回数でメッシを2試合連続上回ったことは大きなポイントと考えられる。

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