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香川真司 8年前

香川も語った“内容と結果を追い求める”こと。ドルトムントが直面したその難しさ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「内容はひどかったのでしっかりと修正して行きたい」

香川真司
香川真司【写真:Getty Images】

 ブンデスリーガで2位を堅持して快走しているチームであっても、メンバー面でのちょっとしたズレや、相手の戦略といった幾つかの要素が交わると、本来の輝きを失ってしまう。19試合で52得点とリーグ1位の破壊力も、危ういバランスの上に成り立っているのだ。

 しかし、常に完璧なパフォーマンスを演じることは可能なのだろうか。インゴルシュタット戦の後で、香川が「内容はひどかったのでしっかりと修正して行きたい」と話したように、たとえ勝利に終わったとしても、もちろんチームは反省していくべきところは反省し、前進していく。

 インゴルシュタット戦の後では、ドゥルムのポジショニングに見られるような、復帰したばかりの選手と、主力として戦ってきた選手の間でのチーム戦手術に対するズレを「整理」する必要がある。ヨーロッパのトーナメントにも出場し、ターンオーバーを強いられるBVBではなおさらのことである。

 しかし、そうやってどんなに細部を詰めていったとしても、上手く行かないことがあるのがフットボールだ。19試合で50得点9失点という圧倒的な数字で首位を独走するバイエルン・ミュンヘンでさえ、第15節でボルシアMGに敗北を喫したように、どんな強者であっても負けることがある。

 だから、試合前の順位では10位と劣る相対的弱者のインゴルシュタットも、「勇気」と「戦術的な規律」を持って、強者のドルトムントに立ち向かうことが出来る。そして負けはしたが、インゴルシュタットでワントップを務めたダリオ・レツカノは「僕等はアグレッシブで良いゲームを示した」と手応えを感じたようだ。

 常にパーフェクトな結果を残すことは難しい。それでも内容と結果を追い求めていかなくてはならない。そこから生まれる何かが、フットボールの魅力なのではないだろうか。

【了】

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