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U-23代表初招集のV・W際、夢の五輪出場へ意欲「死に物狂いでやる」

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

ファン・ウェルメスケルケン・際
U-23日本代表に初招集されたファン・ウェルメスケルケン際【写真:舩木渉】

(取材:舩木渉)

 日本サッカー協会(JFA)は14日、今月末のU-23日本代表ポルトガル遠征に参加するメンバーを発表した。

 今回公表されたメンバーの中には見慣れない名前があった。ファン・ウェルメスケルケン際。オランダ2部ドルトレヒトに在籍し、エールディビジ(1部)出場経験も持つ21歳。Jリーグでのプレー経験はない。

 ヴァンフォーレ甲府ユース出身のファン・ウェルメスケルケンは高校卒業とともに単身父の母国オランダへ渡り、ドルトレヒトに入団。昨季までの2年間はアマチュアのセカンドチームで研鑽を積み、今季晴れてプロ契約を掴み取った。

 高校時代はウィングを本職としていたが、オランダで右サイドバックにコンバートされ頭角を現した。現在は両サイドバックに加え中盤インサイドハーフや左ウィングなど多彩なポジションで起用され主力の1人としてチーム内に自らの地位を築いている。今季は24試合に出場して1得点。プロ1年目の前半戦からレギュラーとして監督の信頼を掴んだ。

 ファン・ウェルメスケルケンにとって今回が初めての年代別代表招集となる。本人は「いままで続けてきたことが目に見える成果になったことは素直に嬉しい」と願い続けた代表入りを喜んだが、ポジションの被る2人の負傷離脱で掴んだチャンスだということも理解している。

 そのうえで「僕はずば抜けてすごい選手ではないので、地道にできることをしっかりやって自分の実力を証明できればいい。チャンスをものにしたい気持ちはもちろん強いので、死に物狂いでやるつもりでいます」と夢のオリンピック出場に向け強い意気込みを語った。

 アジア制覇に大きく貢献した室屋成と松原健の長期離脱が決まり、右SBは一気に手薄なポジションとなってしまった。そこに現れ「救世主」と称されることもあるファン・ウェルメスケルケンは「日本代表に貢献できるように自分の持っているものを全て捧げたい」とレギュラー奪取への意欲に満ち溢れている。

【了】

オランダの”サムライ”ドルトレヒトDFファン・ウェルメスケルケン際

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