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日本代表 8年前

本田・香川不在を飛車角落ちにしないために。選手らも苦言、ハリルJは薄い選手層をどう解消すべきか?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

本田の指摘。欧州組多いなかで調整する難しさ

本田圭佑
本田圭佑【写真:Getty Images】

 後半はその傾向が一段と強まる。相手が後半21分にFKからのワンチャンスで2点目を奪い、強固な守備ブロックを構築すると、日本の停滞感は色濃くなり、新顔が増えれば増えるほど連動性も低下した。

「後半は自分たちが主導権を握っていたのになぜ点が取れなかったかと言えば、精度というよりバリエーション問題だったと思う」とトップ下でチームを勝利に導けなかった清武は反省しきりだった。

 前半の攻撃陣は、浅野を除いて2次予選でも何試合か一緒にプレーしてきたメンバー。柏木も「キヨとはいつも一緒に試合に出ているから特徴が分かっていた」と語り、これまでの蓄積でコンビが少なからずできていた。

 しかし後半、遠藤航(浦和)を筆頭に、小林祐希(磐田)、金崎夢生(鹿島)らキャップ数の少ない面々が同じピッチに立ってからは、息を合わせるのも難しくなる。

「正直、今までの代表のいいところは同じメンバーがずっとプレーできていたこと。いきなり(欧州から)帰ってきて2日で調整してもサッカーができていたけど、今日は結構メンバーも変えているし、簡単じゃなかった」と2試合連続で欠場した本田も確信を突く指摘をしていた。

 欧州組の比率が高まれば高まるほど、日本代表の活動はしづらくなる。岡田武史監督が率いていた2010年南アフリカW杯前までは国内組合宿の回数も比較的多かったが、アルベルト・ザッケローニ監督体制以降は国際Aマッチデーしかベストメンバーが揃わない。

 その中で連動性やインテンシティを高めるには、主力を固定するのが早道だとザックは考えたのだろう。その流れは2014年ブラジルW杯後も続き、ハビエル・アギーレ監督も2015年アジアカップ(オーストラリア)前に一度は外したベテラン・遠藤保仁(G大阪)を呼び戻して、大会中もずっと同じスタメンを起用し続けた。外国人監督が結果を残すために世代交代を後回しするのは、常套手段なのだろう。

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